日本の心・さいき

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小児科って(その3)・・・

 「小児科医は、労多くして報われない・・・」と、よく言われます。ある公的病院の部長が、(私が研修医の時に)「金儲けが目的で医師になっているなら、小児科では、それは出来ないから・・・」と言われました。
 採算的に考えると、小児科は、合いませんね・・・→これは、多くの人が認めていることですが・・・。
 病院の場合、その科の医師の数で売り上げを割ると、小児科はいつも下から1〜2番って感じの所が多いと思います。それなのに、救急病院で時間外となると、内科の次に小児科、いや、一番多いのは小児科って所もあります。当直体制も、外科と内科と小児科の3本柱にしている所もあります。更には、時間外診察室も、小児科だけは別の所にしている所も・・・。
 採算重視の病院だと、小児科は不採算なので、設置できません。赤字でもいい病院となると、公的な病院となり、現に、小児科を持った病院となると、その7割が公の病院になっているのです。
 それに、採血や点滴をするのも、小さな子どもの場合、(脱水があったりすると)難しいケースが多いし、協力してくれないので、ナース独りで出来ないことが多いし・・・粉薬や水薬を作るにしても、体重当たりで量を決めることが多いので、かなり神経を使います。
 点滴内の抗生剤を入れるにしても、大人は、1回1g1日3gとした場合、3歳未満の子どもだと1日量でも、大人1回分の1gに達しません。
 それに、とても気を使います。親御さんにも気を使います。レントゲン1枚撮るにしても、暴れる子どもをなだめて、時間を掛けて撮ることも多いのです。
 が、内科医がやむなく小児を診て、トラブルになって、病院の人気を落とすケースもあります。それなら小児を診ないとなると、小児科を看板に上げている病院に小児が殺到することになり、小児科医は疲弊してしまいます。現に、小児科医が同じ病院で勤務する期間は、他の科の医師よりも短くなっています。
 小児科医の資源は、限られています。小児科医の集約化が勧められ、小児科医が独りや二人だけの病院がどんどん少なくなっています。が、そんな病院でも、小児科を継続させる為に、それなりに工夫をして、小児科の負担を少なくしようと努力しているケースが多くなっています。
 一般の人に、コンビニ受診は控え様とか、時間内に来れる人は時間内にとか、どんなケースがホント救急になるのかとか、啓蒙しているケースも多くなっています。又、小児科医が独りの場合には、入院が必要な時は他の医療機関に送ったり、時間外には当直医からのコールにしたり、産科の新生児は、出来る範囲で産科医にしてもらったりとか・・・。
 どこまで小児科医がするべきか、・・・→犠牲的精神で小児科医が孤軍奮闘する時代ではないのです・・・?!