日本の心・さいき

日本の心で、世界平和の実現を!

現実、・・・

 入院している女児(肺炎、1歳)の熱が下がらなくて、やっと今朝、下がった。昨日、親から、「先生、大丈夫でしょうか?」と言われた。その子の見舞いに来ている感じの人から、「熱が続いて、頭に行かないですか?」ときつく言われた。
 病気が治らないと、医者も、苦しんでいるのだが。昨日は、土曜なのに、何度も病棟に足を運び、夜は、21:30過ぎに電話し、(床に就いても気になって)23:00過ぎにも電話したし、今朝も6:00過ぎに電話した。今は、家内がいないので、家内に迷惑かけなくていいかな。
 昔は、民間の救急病院に勤めていた時代は、分娩年間500近くもあって、小児科常勤医自分だけで、怖さを知らずに、精神主義で頑張っていた。病院から深夜に電話があると、家族皆が起きていた。子どもは泣き出し、仕方なく、自宅を構えて、自分だけ病院に寝泊まりすることにした。
 まあ、今の時代に、小児科医だけ犠牲的精神で深夜も独りで頑張れと言う方が無理。訴訟の多い時代、独りで頑張る時代ではない!
 産科も小児科も、集約化がどんどん進んでいて、5人以上なら大学から医師を派遣しましょうって感じの所が多くなっている。つまり、一人や二人では、体壊すし、長続き出来ないので、物理的に、無理なのだ。小児科5人でも、実際にしていた経験から言うと、まともに深夜どんどん来れば、小児科医は、例外なく、体を壊してしまう。  と言うことは、一人や二人で小児科や産科をしている所は、大学の協力などが無ければ、消滅の運命にあるかも知れないってことかな。
 小児科でも、一人か二人の所は、入院を持たないとか、救急をしないとなれば、小児科の先生も、長いこと続けられるのだろうが、肝心の採算となると、全く合わないこととなる。現実に、全国の小児入院の7割が、公的病院だ(その割合が、内科と全く逆)。

 今度からの診療報酬改定では、小児科医の数によって、次の様によりきめ細かくなっている。

 小児急性期救急医療の評価

(現行)小児入院医学管理料(1日に付き)
1、(常勤小児科医20人以上)・・・4500点
2、(常勤小児科医5人以上)・・・3600点、
3、(常勤小児科医3人以上)・・・3000点
4、(常勤小児科医1人以上)・・・2100点

(改定)小児入院医学管理料(1日に付き)
1、(常勤小児科医20人以上)・・・4500点
2、(常勤小児科医9人以上)・・・4000点!
3、(常勤小児科医5人以上)・・・3600点、
4、(常勤小児科医3人以上)・・・3000点
5、(常勤小児科医1人以上)・・・2100点
(改定)2の施設基準として、1、入院を要する小児救急医療の提供を行っていること。2、常勤の小児科又は小児外科の医師9人以上配置されていること。3、7:1以上の看護配置であること。4、平均在院日数21以内であることとなっている。

 小児救急をしている多くの病院、その多くで、小児科医一人当たりの売上高、最下位?!現実は、厳しいのです。

*翻って考えてみると、・・・

 10年半余、勤めていた救急病院で、今も勤めていたら、100%、体を病んで、早死の運命にあったかな。

 8年半余、開業していた医院で、19床持ったまま、小児救急中心に今も続けていたら、どこにも行けなく、体を壊し、採算も合わなくて、ストレスで、早死にしなくても、鬱状態になっていたと思う。

 その後、勤務した2つの救急病院、それなりに大変だったが、海外にも行けて良かったかな。しかし、その2つの病院とも、当時の小児科のスタッフは、誰もいなくなっているが。(小児科医の病院の定着率は、良くないと言われている)。

 そう思うと、(還暦を迎えて)アルバイト医になった今、海外にも行けて、長期休暇ももらえて、医師になって人間らしい一番いい生活をしているかな。体の調子もいいし、体重も落とせたし、血圧も下がり、血液検査も、この30年で一番いい(中性脂肪値、LDLコレステロール値が正常化した)。それに、家内の嬉しそうな顔を見れるだけでも、満足かな。

 ストレス誘因の3つの要因である、1、身体の異常のストレス、2、脳にとって楽しいことを得られないストレス、3、自分のやっていることを認められないストレス、以上の3つが、(全くない訳ではないですが)今は、(許容範囲で)ゼロの状態ですから。