日本の心・さいき

日本の心で、世界平和の実現を!

1+1≧2・・・

 全国の病院から小児科のある病院が年々確実に少なくなっています。その大きな理由は、全国的に集約化が行われたからです。独りや二人だと、小児科医の負担が大きいので、小児科は、3人以上必要との考えが定着している様ですが・・・。
 交通の便がいい所では、他の医療機関にも行けるので、それでもいいのですが・・・僻地になると、船に乗って行ったり、山を越えて行ったりとなると、大変です。台風の時期になると、深刻です。
 数の上では、1+1=2です。しかし、小児科を独りでするのと2人でするのでは、大きな違いです。独りだと、常に独りなので、休む暇がないことになります。2人だと、休む時間が確保されて、その間に充電が出来て、いざと言う時、力が充分に発揮されます。つまり、1+1≧2と言う式が成り立ちます。
 常に100%の力を出していると、燃え尽き症候群って感じになります。普段は、70%前後の力を出し、いざと言う時、100%の力が出せる様にしておくべきではないでしょうか。
 私が18年間、小児科医独りでしてきての感想ですが・・・→大きな問題は、睡眠不足です。睡眠不足は、判断力を狂わせます。医療事故にもつながります。笑顔も出ません。親御さんも不安になります。どんどん負の連鎖となって行き、職場を離れると言うことになりかねません。
 逆に、小児科医にゆとりが出来ると、よく診れて、笑顔で接することが出来て、コミュニケーションが上手く出来て、いい治療も出来ることになります・・・。
 ある市での独り小児科医(常勤医)の病院の実態を調べてみますと・・・平日の時間内の診療だけで、入院は出来なかったり、又、別の医療機関では、1人で、新生児から入院から時間外診療までしていますが、土日祝には、大学から応援が来ています。
 以前は、小児科医の犠牲的精神に頼る感じの医療がしばしば行われていました。しかし、今は、そんな時代ではありません。小児科医と病院側と患者さん側が、三位一体となって、お互いによく理解し合う感じでないと、医療を続けられない時代になっていると思います。
http://blog.m3.com/syumi-syounikai/20110105/1