日本の心・さいき

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小児科と産科

 今の日本、病院から小児科と産科が確実に消えつつある。共に集約化が叫ばれ、例えば、小児科医2人ずつで2カ所に別れてしていた病院の内の一カ所の小児科を潰して、他の一カ所に小児科4人を集める体制をとっているのだ。小児科医に負担がいかない様にしようとするものだが。
 実際に、 大川市の救急病院(産婦人科あり)に(2年7カ月)勤務していて、その時に小児科医5人で24時間365日の当直体制を取っていたが(時間外患児年間に7000人以上)、外来や入院もあり(自分の場合、講義もあり)、5日に1日の当直は、大変で、1人欠けて4人になった時、5人と4人がこんなに負担が違うのかと、残った4人が全く同じ感想を持ちました。
 集約化で、果たして、小児科医が楽になり、いい医療が本当に出来ているのだろうか?今でも、地域の事情で、小児科医常勤医わずが1人体制で、病院勤務をしているケース、多々ある。
 (私の故郷の)大分県の南部だけを例にとると、医師会立のT(1)病院やT(2)医師会立病院、私が10年半勤務した救急病院のN病院、私が2年2カ月勤務した救急病院のT(3)病院、私が県南で知る限りでは、その4カ所では、常勤医は、小児科医1名でしかない。(1人小児科体制で大変な苦労をされていることと思われます。)
 私が一人常勤医でしたのは、N病院(産婦人科あり)で8年半余と、19床を持っての開業8年半余(全く応援なし)と、今の病院(産婦人科あり)で小児科二人体制になる前の1年間の総計18年間。1人体制のいろんな問題点を自分なりに経験してきている。
 大学からしばしば交代でそれがなされて、それなりに上手くいっているケースも確かにある。が、小児科不足で、集約化なしで、そのまま欠員になるケースもある。現に、T(1)とT(2)とT(3)病院では、それを経験している。
 小児科だけでなく、県北のN市民病院も、県南のN病院も、分娩を扱わない様になり、産科も小児科以上に極めて深刻だ。
 小児科医も産科医も、これでも、数少ないなりにも、個人的には一生懸命仕事に取り組んでいる。しかし、働き過ぎて、体を壊してしまっても誰からも責任を取ってもらえないし、訴訟になっても、忙しいや疲れていたからでは、理由にならない。
 当然、小児科医や産科医は、誹謗中傷覚悟で自衛手段をとるか、転科するかしかない。事実、救急で働いていた女性の医師の多くが、出産後に再び元の職場に戻るケース、少ない(20%前後でしかない)。
 小児科の医療に関しては、いろんなことが言われているが、第一線で働いている小児科医や産科医の意見は、あまり公表されない様に思う。
 私の場合、今年の3月31日に自治体病院を(今年の5月で還暦を迎えたので、自分の判断で)退職し、その後は、同じ職場で、常勤医の小児科医を助けながら(長期の連続休暇をもらえることを条件に)アルバイト医として、土・日・祝・新生児を中心に、小児科診療をしている。
 一昨日(土)も昨日(日)も、新生児、病棟、外来を診ている。数は少ないが、それなりに地域の人からも病院からも喜んでもらっているし、私も、生き甲斐を感じながら働いている。
 多くの人の理解と協力でこれが出来ている(感謝・感謝・感謝)。


http://www.geocities.jp/yamamrhr/ProIKE0911-39.html

http://muu.in/algernon51/(医師の命は、10年短い)

http://cityhosp-kamiamakusa.jp/kaikaku_purann_2009.pdf