日本の心・さいき

日本の心で、世界平和の実現を!

希望学・・・

 現在の社会の在り方が若者から希望を奪っている。希望がない人の割合、36.2%。希望学は、2005年から玄田有史先生を中心に、東京大学社会科学研究所で研究されているもの。
 所得の高い人(300万以下と1000万以上)では、所得の高い人の方に希望が持てている。学歴では、中・高よりも4年生・大学院卒の方が希望が持てている。しかし、実際の分析はそう簡単ではない様だ。
 思うに、希望がある方が幸せを感じる度合いが強いと思う。夢も希望もなく、自分には幸せなんて遠い存在なんて言う人が多い。
 日本は今、自殺者数は、年間3万人以上だ。男女差では、男:女=3:1で、明らかに男性が多く、それも、二十歳代の若者では、死因の第1位となっている。最近の特徴として、60歳前後も多い。医師は他の職業の3倍もある。
 何故かなあ?個々の事例では様々だが、一概に、お金だけでも、財産だけでも、地位だけでも、病気だけでもない様だ。孤独が悪い、いい時が良過ぎて、急に落ち込むのが悪い、今まで落ち込んだ経験がなかったのが悪いなどと、いろんなことが言われてきている。
 戦後、真面目に働いて豊かになればみんな幸せになれると日本人の多くは思って来た。そして、次第に日本は豊かになり、モノも溢れてきた。しかし、何故今、希望が持てない日本人がこんなに多くなってしまったのか?
 何になりたいとはっきり言う若者、確かに少なくなっている。何の為に生きるの?と尋ねても、突き詰めると、答えられなくなってしまう。自分は本当は何をやりたいのか、解らないまま暗中模索している若者も、多いと思われる。
 玄田先生は、NHKの放映の中で、「一人ひとりが紆余曲折の中で、自分なりの価値観を持ち、生きるための物語を作っていくことが必要」「挫折の先には必ず希望がある」などと言われていた。
 落ち込んだ時がチャンスで、それをバネにして、自分を信じて自分なりに開き直ればいいと思うのだが、それが難しい。それを何回か経験している人はホントに強いと思う。順調に行き過ぎている人は、失敗を恐れて逆に大きな事が出来ないケースもあり、又、そんな人がささいなことで失敗しても、ショックが大きい様だ。
 やる気って、先が完全に決まってしまっていると、あまり出ないと思う。反対に、何度挑戦しても先が見えない状態だと、希望が持てなくなってやる気をなくしてしまう。先に明るい兆しが見えて、それと似た様なことが過去に実践できていれば、やる気が長期に維持できて頑張れると思う。しかし、達成してしまうと、又、やる気をなくしてしまうのが人間の不思議なところではないだろうか。常に不安定の中で変化して行く所に希望を見出して幸せを感じていくのが人間なのかな・・・?!