日本の心・さいき

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溶連菌感染症・・・

 ゴールデンウィーク中、里帰りの人が多く、又、治療をどうしても必要とするケースも多いのですが・・・。
 5月〇日(日)の20時前に、熱で来院した8歳の女児がいました。この日の午後から熱あり、咽頭痛あり、咳ありでした。診ると、口蓋扁桃に白苔が付いていましたが、赤みはさほどありませんでした。痛みは、そんなに強くないとのことで、鼻水はなかったのですが、咳があったので、溶連菌よりもアデノなどのウイルスかなと思いました。一応、漢方薬(アデノを疑って、黄連解毒湯の錠剤)だけを1日分上げて、帰しました。
 翌日10時過ぎに来院しました。朝、解熱していたのですが、昨日よりも喉が痛いと言い、咳あるも鼻水が全くないと言うので、溶連菌を疑って、ストレップA(溶連菌)の検査をしました(写真)。
 昨日、抗生剤を上げてなかったので、(溶連菌感染だったので)直ぐに青線がくっきりと出ました。(原則的には、溶連菌の方がアデノよりも症状が強く、喉をより痛がりますが・・・又、アデノでは、内胚葉親和性と考えれば、鼻水と咳があり、溶連菌では、それがないのですが・・・それに、幼児期前半までは、溶連菌感染は少ないのですが・・・)
 ここで、「溶連菌感染症」と病名がしっかりと付いて、私なりの方法で(いろんな方法が言われていますが・・・)、5日分の強い抗生剤(+整腸剤、長期に強い抗生剤を上げると、下痢が起きるので・・・)、その後の5日分の軽い抗生剤(バイシリンG←副作用、極めて少なく、長期も可能)を上げて、検尿のスピッツを渡して、10日後に、尿を持って来る様に言いました。
 抗生剤の与え方、いろいろあると思われますが・・・昔は、副作用の少ないバイシリンG10日間だけで、しっかりと治っていた感じでしたが(時に、再発もありましたが・・・)、今は、4分の1程(?)がそれでは不成功に終わり(そのことも経験していますが・・・)、その理由として・・・→A群溶連菌のペニシリン耐性の増加によるものではなく、βラクタマーゼを産生する咽頭常在菌の黄色ブドウ球菌、ブランハメルなどによって、ペニシリンが不活性化される為とのことですが・・・?!
 大学にいた時、私が溶連菌検査の係で、溶連菌検査が必要な時、呼び出され・・・採血して、30分ほど放置して、その後、遠沈して、上の血清だけを取って検査していましたが・・・その時のことを考えると、この溶連菌感染症の検査、随分と進歩していますね。
 医師が、溶連菌を見逃さずに、しっかりと治療しておれば、その合併症の「腎炎」や「リウマチ熱(その後、弁膜症)」、防げますね。そして、溶連菌の検査は、どこでも外来で簡単に出来るので、重宝ですね。
 今は、溶連菌だけでなく、RSウイルス検査、インフルエンザ検査、アデノウイルス検査、ロタウイルス検査、ノロウイスル検査、肺炎球菌検査、溶連菌検査、マイコプラズマ検査と、簡単に外来で出来るので、抗生剤も必要最小限度に使用出来ていいですね。(←ただ、溶連菌でも、結果が陰性と出ることもあったり・・・それに、親御さんから、検査しても陰性と思われても、検査を必要以上に強く要求されるケースもありますが・・・?!)