日本の心・さいき

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国民皆保険制度・・・


 日本人の1人あたりの年間受診回数は、13.1回となっています。ドイツ8.4回、フランス5.7回、イギリス5回。米国3.9回、スウェーデン2.9回に比べて、断トツ多くなっています。
 当院の投書箱でも、「待ち時間が長い・・・」「説明時間が少ない・・・」等の内容がしばしばあり、世間では、「3時間待って3分診療」などと言われます。しかし、よく考えてみると、日本の場合、3時間待てば診てもらえるケースが多いのです。時間外に行けば、直ぐに診てもらえるのが普通になっていると、その日に診てもらえることの有難さが忘れてしまいます・・・。
 海外の先進国の場合(直ぐに専門医に診てもらえることは多くの場合出来なくて)、一般医に診てもらうのにも、予約が必要で、数日待って診てもらえることも稀でないのです。
 国際比較すると、日本は人口当たりの医師数と看護師数が少なく、ベッド数が多くなっています。つまり、1ベッドあたりの医療スタッフが極めて少ないのです。それを補うために、病院スタッフの献身的な努力でかろうじて支えられているのが現状です。
 国民皆保険の上に、無料制度も沢山出来ています。例えば、小さな子どもさんの場合、時間外に受診しても、深夜に受診しても、入院しても、無料の所が多くなってます。(それでも、子ども1人の医療費は、75歳以上の1人の医療費の10分の1前後でしかありませんが・・・)。
 この日本の国民皆保険制度が、毎年高度医療が求められる中で、このままずっと続けられるとは思いません。それが少しでも長く続けられる為には、医療をする側も、医療を受ける側も、そして、それ以上に、行政の良識ある行動が今直ぐにでも必要なのです。

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*写真は、「金沢21世紀美術館」で撮ったベルギーの「ヤン・ファーブル」の「雲を測る男」。(上の内容とは、関係ありません)