日本の心・さいき

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入院不能の続き・・・


 3月27日(水)の21:00からのNHKのニュースで、再び、都会での救急車搬送不能のことが取り上げられていました。
 ベッドがあっても、専門医でない為に、訴訟を恐れて受け入れ不能にせざるを得ない感じの内容でした。救急処置が誤っていたとのことで、実際に、救急現場で訴えられているドクターは多いのです。
 中規模の救急病院と言っても、そんなに専門医がズラッといることは少なく、何かあれば訴えられても不思議ではありません。その場にいたドクターが自分の身を守ろうとするのは、当たり前の話だと思います。
 多くの中小規模の救急病院では、当直の先生独りで救急患者さんを診るケースは、決して稀ではありません。しかも、当直明けも普通に仕事になっているケースも、多々あります。
 産科は、産科医が診るしかありません。新生児も、産科医か小児科医が診らざるを得ないでしょう。心疾患となると、専門医でないドクターの判断がどこまで許されるのでしょうか?更には、深夜の脳外科疾患、精神疾患となると(医療は医師一人では出来ません、特に、深夜の体制となると)・・・?
 ある救急病院で、整形外科の先生がローテートで来ました。机の上を見ると、購入したばかりの「小児の見方」の本がありました。この先生、小児を診た経験は殆どなく、当直で診らざるを得なく(←深夜、私も体力的に診れない状態でしたので・・・)・・・診療上の一番のプレッシャーになっている様でしたが・・・?!
 専門医であっても、現場では、その患者さんの状況が分からない状態で直ぐに処置をしないといけない事も多い訳で、その時、訴訟のことを考えていたら、そして、結果が悪くてクレームが付くことまで考えていたら・・・→(経験不足のドクターであれば)受け入れ不能になっても、納得できます。
 ある産科の先生が次の様に言われたことがありましたが・・・→「後遺症が残った場合、後で、あの時、小児科の先生がいて診てくれていたらと言われる。後遺症が残っても、小児科医がいて診てくれていたら、親はそれなりに納得してくれる・・・」と。
 しかし、私も医師になって数年後に、救急処置(深夜の痙攣重積)で弁護士を通じて訴訟になり・・・→その後、無事に解決しましたが、それまでの心労は想像以上でした。
 それでも、私の場合、「小児医療では、いい医療をする為には、救急が大切だ!」と思って、今も年齢相応に救急中心の小児医療をしていますが・・・(←但し、当直もせず、新生児や小児以外は、全く診ていませんが・・・)。
*写真は、3月28日(木)に、上天草市立上天草総合病院周辺を撮ったもの。

http://blog.m3.com/syumi-syounikai/20130309/1