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小児救急・・・

 小児を扱う医師にとって、他の科以上に気を使うことは、「小児は急変し易い!」と言うことではないでしょうか。小さければ小さいほど、急変します。産まれてまもない新生児が、産まれた朝に元気でも、夕方、大変なことになっていても、不思議ではありません。良くなるのも早いのですが、悪くなるのも、実に早いのが小児の特徴です。
 私は、看護学生に、「カキクケコ」と教えています。「カ(仮死)・キ(気管支喘息)・ク(クループ)・ケ(けいれん)・コ(呼吸窮迫症候群)」で、それに、熱がなければ、腸重積症、熱があれば、髄膜炎
 子どもの見方は、「機嫌」「顔つき」「食欲」「睡眠」で、熱があっても、嘔吐しても、咳があっても、自分の経験から、その4つの見方が基本になると思っています。
 「仮死」は、成熟児に、「呼吸窮迫症候群」は、未熟児に多く、「熱性けいれん」は、熱が上がる時に(3カ月未満の熱性けいれん、12歳以上の熱性けいれんは、まずないです!)多く、「クループ」や「気管支喘息」は、副交感神経が優位になる夜の2時〜6時に、呼吸困難となることが多いかと思います。
 乳児で急にお腹を苦しがる感じになれば、「腸重積症」を、小さい子で熱があれば、常に、「髄膜炎」を疑って診ることが大切だと思っています。
 「腸重積症」は、「血便」「腹痛(間欠的疼痛)」「嘔吐」が3徴と言われますが、初期では、浣腸しても血便がなく、又、嘔吐もなくて、疼痛も、来院時に、はっきりしないこともあります。髄膜炎も、「発熱」「頭痛」「嘔吐」が3徴となっていますが、小さければ小さい程、初期では、何となく元気ないって感じにしか見えないこともあります。
 大切なことは、疑えば、(手遅れにならない様に、時間を決めてでも)経過をしっかりと診ることが大切だと思います。
 (*月20日(金)から常勤医が、学会参加の為に不在で、代わりに私が外来もしながら)、20日に、10か月の「クループ」の男児(私が主治医)が、2泊3日で退院しました。(専門医を維持する為には、学会に出席して、点数を稼がないといけないことになっています・・・私の場合は、小児科認定医を持っていたのですが、開業医でベッドを持っていたので、どうしても学会に行けなくて、更新出来ませんでしたが・・・)
 21日(土曜)には、3名の入院があり、夜の9時近くまで、病院にいて、経過を観察していました。
 8カ月の「けいれん」の(小児神経専門医により、癲癇と診断されている)男児(私が主治医)が、1泊で午前中に退院しました。入れ替わる様に、この日の午前中に、3歳の「(RSウイルス陽性の)気管支喘息」の男児が、入院しました。昼過ぎに、分娩室から急遽、要請があり、(羊水混濁があり、仮死の疑いがあり、20分以上泣かない)新生児が入院しました。やっと病棟が落ち着いたかなと思ったら、16時に、8歳の男児自閉症があり、状態の把握が難しい)が、「気管支喘息(重積状態で)」で入院しました。
 正に、「カキクケコ」の疾患って感じで、深夜も気の抜けない感じで診ていますが・・・。
 *月22日(日)、朝、診察に行くと、新生児は、特に変わりなく元気で、又、気管支喘息の2人も、夜、よく眠れて、今朝の食事も半分以上摂っていました。この時の主治医の喜び、他の人には分かってもらえないでしょう・・・?!

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