日本の心・さいき

日本の心で、世界平和の実現を!

インフルエンザの診断・・・

 3月18日(土)と3月19日(日)に、それぞれ、18名ずつ小児が来院したが、その半分以上がインフルエンザ(検査で殆どが陽性)で、それもA型。
 学校や保育所から、「インフルエンザの検査をしてもらってきなさい!」って、半ば強制的に言われて、来院している例があります。(・・・←何か、ちょっとおかしな気がしますが・・・)
 インフルエンザの検査では、そこにインフルエンザウイルスがある程度以上いないと、陽性に出ないと思うし、それに、12時間以内だと、出にくいし・・・(と言っても、兎に角して下さいと言われることが多いのですが・・・)。
 関節痛や、不幸にして(多くが1〜3歳児に48時間以内に発症する)急性脳症に不幸にしてなった場合、そこにインフルエンザウイルスが沢山いると言うことではなくて、サイトカインがドット出て、そのせいでそうなっていると思われます。ウイルスが沢山いるとサイトカインが沢山出て、症状が強く出る傾向にあると思われますが、免疫力などに個人差があって、必ずしもそうでない例もあると思われます・・・?!
 症状が軽かったり、典型的なインフルエンザのはずなのに、検査で陰性に出ることもあります。初期に来院して、とてもきつがって、典型的な症状だと、検査しなくて、インフルエンザと診断して、抗インフルエンザ薬(タミフルかイナビル)を(それに、葛根湯→柴胡桂枝湯を)処方することが多いのですが・・・。
 昔は、検査もないし、インフレエンザの特効薬もなかったのですが・・・小児科の外来の年齢層が急に上がることで、インフルエンザの流行を把握していましたが・・・→今は、患者さん側の希望で、軽くても検査を希望し、軽い内にインフルエンザの特効薬って感じになっていますが・・・日本ほど、インフルエンザの検査を頻回にし、タミフルなどの薬を大量に使用している国、ないですね!
 ところで、昔、検査も出来ない時、どうしてインフルエンザと診断していたのか・・・?!(以下、私なりに述べたいと思います・・・)
1、周りの人がインフルエンザになっているかどうか、このチェックがまず大切ですね・・・。家族に罹患したい人がいるとか、通っているクラスにいるとか・・・。
2、他院で、薬をもらったけど、熱が下がらないと言って、時間外に来院するケースがしばしばありますが、抗生剤は、インフルエンザには、効きませんね・・・(解熱剤は、一時的に熱を下げて、症状を取るだけですね・・・)。抗生剤が効かなかったことが、診断上、次の医師が診た時に、とても参考になることが多いのですが・・・。
3、(個人差は当然ありますが・・・)普通感冒と違って、脈が強いことが多くて、普通の風邪にしては、きつそうな顔をしていますね・・・。アチコチ痛がることが多いのですが、小さな子の場合、あまり関節は痛くない様ですが・・・。
4、咳や鼻水も伴うことが大部分で、咳は、初めさほど強くないのですが、次第に強くなることが多いですね。
5、喉の所見ですが(診断上、とても大切です!)・・・→喉が痛いと言う割には、喉がさほど赤くありません。殆ど正常に見えることもあります。
アデノウイルス・・・喉が真っ赤になっていたり、白苔が付いて、高熱のことが多いのですが、その割には、喉をあまり痛がらず、一般状態がさほど落ちていないことが多く、鼻水や咳を伴うことが多いです。
・溶血性連鎖球菌(溶連菌)・・・乳児や2〜3歳までの子どもには、溶連菌は、少ないです。熱があり、喉を痛がり、きつがって、喉は赤くなっていますが、鼻水や咳は、ないことが多いです。
*アデノも溶連菌も、今は、外来でいとも簡単に検査が出来ます。
6、インフルエンザの二峰性の発熱・・・子どもはしばしば、インフルエンザで、二峰性の発熱をとります。二つ目の熱の山の時、インフルエンザの二峰性の山か、合併症の山か、見分ける必要があります。・・・←解熱後48時間経過して、登園(登校)して、再び発熱して、来院するケースがあります。子どもが他人にうつす期間は大人よりも長いので、症状があれば、それなりにしっかりと休ませることが大切だと思います。
 新しい基準では、発症後5日経過し、かつ解熱後2日間(幼稚園児は3日間)休むこととなっていますが・・・。(・・・←インフルエンザで免疫力が低下して、まだ、その症状が残っているのに、又、他の疾患になっていることもあります。)

http://blog.m3.com/syumi-syounikai/20080109/1