日本の心・さいき

日本の心で、世界平和の実現を!

続・今のアメリカの医療の実態・・・

 佐伯で開業していた時(8年半余)、ある日、通訳の人と一緒に子どもを連れた外国人(父親)が来た。で、診察かなと思ったら、次回、かかる時の為に来院と言うことだった。その時、何かピンと来なかったが、今思えば、医師の品定めって感じになっていたのかなあとも思う。
 アメリカでは、実際に受診する前に、アチコチの小児科医を訪問して、どの医師が自分の子どもの主治医としてふさわしいのか、品定めをすることに違和感がない様だ・・・。日本では、それは積極的には行われていないけど(都会では、子どもを持った親御さんは、親御さんなりに、かかりつけを3カ所決めていて・・・→時間内にしばしば行く小児科開業医、時間外にたまに行く救急医療施設、やむなく入院する時の病院と?!)・・・手術する場合は、セカンドオピニオンやサードオピニオンを求める為にアチコチ受診していることもあるけど・・・。
 アメリカの開業医は、病院勤務医を経てのベテラン医師で、日本の様に、がむしゃらに働くってことはないみたいだ。仕事をする時は、しっかりとそれに専念しているが、休みは、しっかりと人間らしく取っている。
 そんなアメリカの医師でも、一般の人との比較では、自殺率は際立って高く、自分の子どもに再び医師になって欲しいと思っているケースは、極めて少ない。日本の場合は、どうだろうか・・・?!
 アメリカでは、医療費が高いので、無駄な治療、効果があやふやな治療は、原則しない感じだけど・・・。
 乳児がRSウイルスによる細気管支炎(鼻汁・咳嗽・喘鳴)で入院した場合、痰切れの去痰剤を与えるのは、日本では、普通になっているかな(?)。自分も小児科医として長いこと処方してきているけど・・・近年、その効果が疑わしいのもあってか、実際にニューヨークで公的病院に入院したケース(RSウイルスによる細気管支炎)では、使用されていなかった(小さな乳児でのケースだけかも知れないけど・・・?)。気管支拡張剤も処方されていなかった(数カ月の乳児では、効果が疑わしいとの意見もあり・・・)、。もちろん、検査上、医師がウイルスのみと判断した為に、抗生剤も使用されていない。喘鳴が強くても、(喘息で、強い発作の時に使用される)副腎皮質ホルモンも使用されていなかった。
 アメリカでは、現在、市販の風邪薬は、日本と違って子どもには御法度になっている。咳嗽や鼻汁があると小児に鎮咳剤や抗ヒスタミン剤を処方するケースが日本ではあるけど、(かえって痰が切れなくくなって悪化することもあるので)私自身は、原則的に、ウイルス感染では使用していない。
 喉が赤いと思えば、即、抗生剤投与何てことは、アメリカではない様だ。今は、RSウイルスかインフルエンザウイルスかアデノウイルスか溶血性連鎖球菌かの検査が、外来でいとも簡単にできる時代なので、その分、抗生剤の使用頻度が少なくて済む時代になってきているけど・・・。
 耐性菌が実に多い日本の医療、QOLを無視した感じの高齢者の高度医慮、有給休暇を使い切ることなく終始疲れ切っている医療関係者・・・財源が限られている今、今後の医療の進み方を日本国民全体が真剣に考えるべき時ではないでしょうか。