日本の心・さいき

日本の心で、世界平和の実現を!

自分って、何?

 自分って、一体、何なのだろうか?本人自身も、よく分からない?!
 自分の父親は、小学校に入学した時、そこの校長だった。で、「次は、校長先生のお話があります、・・・」何て紹介されて、学期初めや終わりだけでなく、運動会や学芸会などで、しばしば、父の話を聞いてきた。
 家での父と、高い壇上で生徒の前で話している校長先生は、どうみても、違った感じに思えていた。
 赤ちゃんの泣きまねがとても上手で、生徒の前で、年に1回は、必ずそれをしていた。又、話が上手で、特に、「天狗と蓑(みの)」の話が面白かった。
 夜、「レクレーションに行ってくるから・・・」と言って、時々外に出ていた。パチンコに時々行っていたのである(教師は、ストレス解消に、パチンコに行く人、多い様である?)。又、隠れて煙草を吸っていた(子どもの前で吸うといろいろと言われるので)。
 体育と音楽(家で尺八を時々吹いていた)と道徳と歴史が得意で、家では、講演の原稿をよく整理していた。
 モノを大切にする人で、いらない本でも、決して捨てようとしないので、家に古本が貯まるばかりであった。
 そんな父を見て、生きる基本の裏まで、父から教わった様に思う。
 人間なんて、アンパンに例えれば、中の黒アンが自分で、外は、見せかけの自分みたいなものだ。見せかけを立派に見せて、それで無事に過ごしている人が多いと思う。タバコを吸ったり、アルコールに溺れるのが良くないことだと分かっていても、それがどうしてもセーブ出来ないのが、人間なのだ(もちろん、セーブ出来る人はいるが)。アルコールが入ると、中のアンが姿を時に出し、トラブルを起こしている。又、永いことセーブを常にしていて、それで、ストレスが高じて、心身症になったりしているケースも、実際にある。(父は、胃潰瘍で胃を3分の2切除し、天理よろづ病院で、目の手術もした。)
 その人がどんな人か、決めるのは周囲だ。自分では真面目と思っていても、周りがそうでないと言えば、そうなのだ。例え、法律上、過失が無くても。
 自分の姿を知る為には、素手で話してくれる人を持つことが大切だと思う。配偶者同士でも、お互いに遠慮して言えないともある。
 本当の自分って、どうなんだろうかなあ?過去の自分と今の自分、確かに違っていると思うけど。
*写真は、孫(私の長男)が点てたお茶を美味しそうに飲む父。


父の遺言      いろはうた(人生考)    
            
い・・・言うべきか言わざるべきか人により
     事によりけり時によりけり
ろ・・・ろこつ者いかにどんなに良いことも
     ろこつ過ぎればうらまるるのみ
は・・・恥を知れ些細な罪も罪は罪
     悪が通れば先は暗闇
に・・・人間も動物園の仲間かな
     倫理説くよりえさにとびつく
ほ・・・放任も過保護ものぞむ子にならぬ
     たずなひきしめきたえあげねば
へ・・・へたまわりへたにまわれば身が立たぬ
     関の西より東の日の出
と・・・とぶ鳥も明るい声や暗い声
     さえずる声や泣き沈む声
ち・・・散り朽ちて枯葉堆肥によみがえり
     年からにじむ声は肥かけ
り・・・りこう者ばかになりきるりこう者
     偉大なばかのりこう者かな
ぬ・・・ぬかるみに足ふみはずしのめりこみ
     ぬくにもぬけず上にあがれず
る・・・るす中に予想もしない難事あり
     いざに備えよ常日頃から
を・・・男かな女かなはてわからない
     そんな者には魅力はわかぬ
わ・・・わかるまいわかりゃすまいと思いきや
     手抜き工事の命とりかな
か・・・がっちゃんと金の重みで声通じ
     金の切れめが通話の切れめ
よ・・・よく見よやおもてもあればうらもあり
     すかして見よやへその奥まで
た・・・短期者短気は亀裂のやいばかな
     お家断絶おのれ切腹
れ・・・連勝は綱の結びに近けれど行き
     引退もすぐ横綱の道
そ・・・その気持ちそれはそれはとひと声を
     かけて通ずるおもいやりかな
つ・・・つきたての餅は思いの型になる
     冷えたあとではもう変えられぬ
ね・・・ねらわれる勇む猪撃たれるし
     豚も太れば屠殺場 
な・・・何につけ人が何事言おうとも
     神が見ている泣くな嘆くな
ら・・・来年も又来るものと思いきや
     来る人もあり来ぬ人もあり
む・・・むかしとてよきものもあり悪もあり
     悪のやからは無茶にはばたき
う・・・浮き沈み悲喜交々の世なるかな
     善もすすめば悪もはびこる
い・・・威勢よく相撲に勝った勇み足
     勝ったつもりがつい負け勝負
の・・・のぼらねばとまっちゃいない人の道
     山に車を押すが如くに
お・・・親思うその子も孫も親思い
     親にそむけば子にそむかれる
く・・・苦労せよ苦労するのも世の試練
     苦門過ぎれば幸せの門
や・・・夜間にはやたらに他家を訪うなかれ
     迎えもすればいやがりもする
ま・・・まにうけずまさかとむげに見逃すな
     子を知るも親知らざるも親
け・・・けんかすないたみつければ傷あとに
     いついつまでも残る憎しみ
ふ・・・不届きとひどくせむるなあざけるな
     彼も人間われも人間
こ・・・子どもとは自分をうつす鏡かな
     息子とは心をうつすよい息子
     娘とは母親の姿をうつす良い娘
え・・・偉くなれ人間として偉くなれ
     どえらい奴に偉い人なし
て・・・手を使え良心のままに手を使え
     あの手この手と先手を使え
あ・・・アル中の予防に禁酒週二日
     休肝二日薬よりきく
さ・・・さわるなよ蜂の巣箱に手を出せば
     手首も顔も針にさされる
き・・・金魚にも出目の金魚と駄目とあり
     出目は救われ駄目は流さる
ゆ・・・油断すなきのうの友はあすの敵
     きょうの味方があすの敵かも
め・・・めんどりにうたえというはこくなこと
     うたい出したらめんどうになる
み・・・みえっ張り張れば張るほど見苦しい
     ありのままこそ美しきかな
し・・・信ずべし疑うべきを疑って
     身のほど知るが知者の行く道
え・・・絵もうたも書も芸ごとも碁将棋も
     趣味にいかせば余生いきいき
ひ・・・批評すないつでもどこでも人前で
     人をけなしてよきことぞなし
も・・・物よりもこころにこころ向けよかし
     どん欲もののこころ貧しき
せ・・・せくでない世帯を持って嘆くより
     とくと相手の見きわめが先
す・・・住居の美トイレも奥も玄関も
     みだれなければこころやすまる
ん・・・んん−んと隠徳つめばすばらしく
     財はなくとも無財の七施
(父:満84歳、52年振りの大雪の日に、笑顔で、死去しました)

自治会長さんが、父の為に、次の詩を捧げてくれました。
「素晴らしい
  笑顔残して
   雪の夜」(自治会長 宇高流高)