日本の心・さいき

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過去のすれ違いの続き

 この過去のすれ違い(昭和58年)、具体的にどの様にすれ違っていたかを更に述べると・・・
 まず、親御さんは、医師から叱られたと解釈していたらしい。しかし、深夜に熱で慌てて、医院の玄関を大きな音で何度も叩かれて、叱らないドクターはまずいないと思う。
 又、親御さんも、多くの医療機関に対して、深夜でも、小児科医から診察してもらえる体制を取ってもらいとの強い願いで(大分県では、全世帯の半分ほどが購読している)新聞社に投書したのだ。で、私の勤めていた病院には、全くかかったことがなく、初診であるし、電話で断られても、特に憤った感情は持っていなかったとのこと。
 しかし、新聞の見出しは、そうでなかった。全ては、診なかった救急病院を責める感じの見出しになっていたのである。
 この時、私は、坊主になった院長の所に行き、「迷惑掛けました・・・」と言って詫びたが、その時、院長は、「いやー、一度坊主にしたかっただけで、・・・」と言って、普段通りで、ニコニコされていた。(しかし、今だかって一度も坊主になったことなく、ダンディーで通っていた院長が、私の心情を察してそう言ったことを私はしっかりと見抜いていたが)。
 その病院では、時間外の小児の患者さんは、当直医でなく小児科医(殆ど私)が診ていた。患者さんが病院に来てしまった時は、(20時〜21時以外でも)やむなく診ていた。トラブルになりそうな時は、深夜でも診ていた。急な熱だけで他に特になければ、急患でないと言い続けていた。自分が院内にいる時は、殆ど診ていた。掛かり付けでなくても、喘息やけいれんで朝まで待てない時は深夜でも必ず診ていた。新生児・未熟児では、待てないので、必ず直ぐに行って診ていた。電話を受けるナースが賢くて、臨機応変に自分につないでくれていた。
 救急病院であった為に、直ぐに診るのが当然と思っていた親御さんは多かった様だ。私もその時に調べてみた。救急でも、私の勤める○○病院は、救急指定病院でなく救急告示病院。で、指定なら仕方ないかも知れないが、自分の勤務の病院は、救急をしていますと言う告示をしているだけで、どんなことがあっても診ないといけないと言う様な強い義務はなかったのだ。だから、深夜、新聞社から叱責され理由はなかったのだ。
 過去のことですが・・・。