日本の心・さいき

日本の心で、世界平和の実現を!

過去のすれ違い

 この4月に佐伯に帰って、ある50歳を過ぎた感じの女性から、次の様に言われた、・・・
 「先生はもう覚えていないでしょうけど、先生は私の子ども達のかかりつけの先生で、大変お世話になりました。時間外にかかったこと、私たち、幸いになかったんですけど。・・・先生の勤める○○病院で、子どもの救急を断ったと言うことで、○分○○新聞に、大きく報道されましたね。・・・それを先生が、患者さんが沢山いてすごく忙しいのに、私に批判されたその新聞を見せて、お母さんはこの記事どう思われますか・・・と質問されて、その時、私は、・・・どの親も子どものことになると一生懸命なので、深夜でも、お医者さんは神様なので、診てもらいたい一心になっているので、たとえ熱でも、お医者さんにとってはたいしたことないと思っても、素人の親は、そうでないこと多いんじゃないでしょうか・・・と言いました。そしたら、先生は、私の答えを意外に思った感じで、・・・そうですか、そんなもんなんですか・・・と言いましたけど」と。
 この件(昭和58年)では、親御さんが、深夜、子どもの熱である小児科開業医にかかった時に、ひどく叱られたとのこと。その小児科開業医、当時、入院ベッドも持ち、朝から晩まで仕事をされ、高齢なのに、体を壊しているのに、殆ど休むことなく頑張っておられた(私の尊敬する)立派な先生。叱られたその親御さんは、その時、もう、どんなことがあっても、この小児科医には絶対に診てもらわないと思ったそうな。で、それ以後、他の内科小児科開業医(立派な先生で、先生が優しいこともあって、患者さんが多く、私も小さい時にかかったことあり)にずっとかかっていたのだが、深夜、再び熱でその内科小児科開業医を受診しようとしたが、断られた。で、私の勤める病院に電話が来た。が、当時私も、朝から晩まで不眠不休で仕事をしている状態で、特に、初めのまる3年間は、全く他の小児科医の援助なく、メチャクチャ仕事をしている時。24時間365日、要請に応じて、県南で新生児・未熟児を深夜でも救急車に乗って駆け巡っている時。就職した当初から、夜は、20時〜21時に集めて必ず毎日診る、深夜は、どうしても朝まで待てない一刻を争うケースしか診ないとしていて、それを実行しいた。で、深夜の熱と言うことで、病院の方が電話の時点で断っていた。
 その親御さんは、仕方なく、(今後診てもらわないと決心していた)元の小児科開業医に診てもらった。夜の3時過ぎに、この小児科医は診たのである。その親御さんは新聞に投書し、新聞には、その最初の題が、「一刻を争う場合にしか診ない許されない救急病院」となっていた。
 その後どうなったかと言うと、私の勤務する病院では、大変なことになって、断った職員が叱られ、始末書まで書かされ、ある職員が怒って○分○○新聞を取らなくなったり、又、院長は坊主になったりと大変だった。私も、少し落ち込んでいたかな。