日本の心・さいき

日本の心で、世界平和の実現を!

ある小児科医の独り言(その9)

政治家が、「・・・します」と公約しても、なかなかそうはならない。経済学者が、予想を立てても、なかなかそうはなっていない。
 医者が病気を治す場合、患者さんにとっては、治るか治らないのか、治るとしたら、いつ頃そうなるのか、それが知りたい。しかし、医者も、それがよく分からない事が多いのだ。
 人間には、個人差がある。薬を上げても、その反応はいろいろで、副作用の出方に付いても同じだ。
 原因も治療も、突き詰めるとよく分からない病気が大半だ。
 今、まだ、インフルエンザが流行っているが、これ一つをとっても、問題は山積している。(学校保健法では)解熱して48時間で登校可となっている。しかし、子どもの場合は、それ以後も、まだ、他人に伝染するし、2峰性と言って、熱が下がった後に再び熱が上がることもしばしば経験する。インフルエンザに心筋炎が合併していて、学校で突然死なんて事があっても不思議ではない。世間では、インフルエンザ何て、風邪の延長と思っている人もいるけど。
 熱が出てまだ半日経っていないんですが、検査をした方がいいんでしょうか?、タミフル危ないと聞いたのですが、大丈夫でしょうか?、タミフル使ってもAソ連型だと効かないと聞いているんですけど、どうしたらいいでしょうか?、登園許可書・登校許可書をインフルエンザと書いてもらえないでしょうか?(インフルエンザと書くと、欠席にならない。親が何故か皆勤の記録を強く願っている)。
 ゴホンゴホンと咳をしていても、休めない。周りにウイルスをまき散らす。マスクがよく売れているが、その効果は、しないよりはいいと思うが、完全でないことは確かなこと。
 経験的に、やはり、隔離に勝るモノはないと思っている。12月に大流行しても、冬休みに突入し、年明けの学校が始まる頃には、下火になっていることが多い。3月までずっとインフルエンザが流行していても、春休み入ると、嘘の様に、少なくなる。つまり、子ども同士の接触が少なくなれば、確実に、下火になるのだ。
 麻疹や水痘やインフルエンザでは、その後しばらく、免疫力が落ちている。それで、再び、他の病気や型の違うインフルエンザに再びなったり、合併症で苦しんでいるケースが多い。
 私なりの治療は、発症したら、抗生物質を出来るだけ使わずに、(葛根湯→柴胡桂枝湯など)漢方中心で行き、普段から、バランスの取れた食事・適度の運動・充分な睡眠・プラス思考を心掛け、電動歯ブラシで1日3回歯をしっかりと磨いておくこと?!不幸にして、インフルエンザになったら、早めに休みを取って充分に休養することが大切だと思います。

*私自身は、インフルエンザの流行時期には、柴胡桂枝湯を2週間おきに、3日連続で朝夕と服用している。外来でも、要望に応じて患者さんに処方しているが、多くの例で、インフルエンザにかかっても、軽くて済んでいる。又、水痘や流行性耳下腺炎や急性胃腸炎を起こすウイルス感染でも、少なからず、効果があっている。かって中国でのSARS流行を食い止めたのは、漢方薬でした。