日本の心・さいき

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大野事件、無罪・・・!

 この大野事件の産婦人科医逮捕で、産婦人科への入局者が減少し、産婦人科をしていた人も、アチコチで産科をとり止める傾向になり、集約化が進み、田舎の多くの病院から、産科と小児科が消えてしまった。と言えば言い過ぎかも知れないが、(その面の関係者であれば)少なからず、その影響を肯定できるだろう。
 もちろん、最愛の娘さんを失った原告側の無念の気持ち、お察し出来ます。しかし、今の産婦人科医の状況も、多くの人が、ちょっとだけでも理解して頂けると有り難いと思います。
 つい最近、薬剤師さんを10年程してドクターになられた(4年目の)女性の医師と話しました。「いやーこんなにきついなんて、実際にしてみて、やっと分かるんですよ。薬剤師の時は、楽でした。給料も結構良かったし・・・」と言われていました。
 産婦人科医と一緒に、24時間+10時間労働をピッタリとくっついてみるといいかと思います。私が、忙しい救急病院で(24時間拘束されて一人小児科常勤医で新生児までして)働いていた時、あるMRの人が私の実態を知って、「先生と同じこと、1日でも出来ません。お金、いくらあっても、もういいです・・」と言われていたのを思い出します。
 スーパーローテートの新臨床研修制度がやり玉にあげられていますが、これはある研修医の死亡が発端となっているかと思います。
 私大病院の研修医の息子が、深夜遅く帰り、又、直ぐに病院から呼び出され、息子は不機嫌ながらも患者さんの為にだと思って出て行き、父親は患者さんのことだから仕方ないと思って、見送りました。しかし、働き過ぎて、過労死でなくなりました。
 私大の場合は、殊更給料は安く、激烈な過重労働でも研修医だからとのことで、月3万円前後!労働省関係に勤めていた父親が怒って国を訴えて勝訴。その結果、月30万円での労働基準法に守られた新研修制度ができたのです!!
 多くの産婦人科の勤務医はそれ以上です。家庭サービスなど、休みの日でも殆どありません。今回、そんな中でも1人体制の病院で一生懸命に地域医療に専念された医師が、最大限の努力をしても助けられなかった。100人分以上の輸血をしても助けられなかった。必死で助けようとして助けられなかった。その結果が逮捕。どうしても理解できません。それが 当然なら救急や産科をやる医師が日本からいなくなっても、不思議ではありません。
 同じ救急医療をしている医者として、今回、無罪になって、ホットしています。