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退職後のエッセイ(26)

  「退職後のエッセイ、免疫学は、果てしない」

 医学って、分かっていることは、それなりに多いのですが、分からないことの方が、圧倒的に、多いです。
 大学生の時に、解剖学の先生が言われました、「解剖学なんて、研究する所なんて、もう、ないのではと、思われているかも知れませんが、そんなことは、全く、ありません・・・」と。
 教科書は、分からない所、あまり詳しく書いていませんね。
 自分で詳しく調べてみると、分からない所が、どんどん出て来て、面白いです。
 「免疫学」の最近の発見は、目覚ましいです。藤井三冠が、どんどん段が上がって、彼の昇段の祝賀会をまとめてしていましたが、そんな感じですね。
 「T細胞」って、よく言われていますね。そのTって、「Thymus」の「T」で、胸腺のことですが、ドイツ語読みで、チームスと言う人が多いのですが、米国では、サイマスと言われています。
 この胸腺の働き、長いこと分からなかったのですね。免疫になくてはならないとっても大切な臓器です。歳を取ると、胸腺が脂肪化しています。
 胸腺外で産まれるT細胞が、日本人により、発見されています。腸には、免疫細胞の7割もがいて、正に、腸は、免疫の要ですね。
 骨髄で産まれた未熟なリンパ球が、胸腺を通って、厳しい試練を受けて、ちゃんとした「T細胞」になれるのですが、何と、そこでの試練で、立派なT細胞になれるのは、第2版では、1%以下、第3版では、数%以下と書かれていました。難しい国家試験以上の、凄い難関ですね。
 そこで立派に育ったT細胞は、特に、その中でも、ヘルパーT細胞は、正に、免疫の司令塔とも言うべき存在で、将棋で言えば、銀ですね。
 インターロイキン4の働きで、Th2に働いて、インターロイキン4、5、9、13を産生するのですが、自分で産生したインターロイキン4で、Th2は、益々、インターロイキンを産生するんですね。もちろん、それに歯止めを掛けるサイトカインも、ありますが。
 ところで、インターロイキン4、最初に何処から産生されるのか、謎みたいですが・・・?!
 インターロイキンだけでも、種類が30以上もあり、詳細に覚えるのは、大変です。又、全ての細胞には、表面にさまざまな蛋白「CD]を持っていますが、その数、350種類以上もあり、今では、国際的な分類法で、きちんと整理されています。
 T細胞やB細胞と全く違う「自然リンパ球」が、2010年に発見されていますが、それが産生するサイトカインで、自然リンパ球が、3つのグループに分類されています。
 免疫学、宇宙の謎みたいに、どんどん、広がって行きます。

 

*写真の表の最後、感性細胞→感染細胞の間違いです。


 (令和3年9月16日、記載)

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