日本の心・さいき

日本の心で、世界平和の実現を!

五苓散・・・

(24日に、記載変更)
 20日(水)の早朝に、2歳の男児(A君)が7回嘔吐し、グッタリ状態で来院しました。そんな感じの子どもさんがその前の週にも数人いて、便の検査で、ロタウイルスアデノウイルスの検査を何度かしましたが、陰性でした。
 A君には、五苓散の注腸(1包2.5g)をして、点滴200ml入れました。ちょっと元気になったので、帰しましたが、夕方又来て、再び、五苓散の注腸をして、点滴200mlして帰しました。
 (20日)の夕方、全く同じ症状で、2歳の男児(B君)と2歳の女児(Cちゃん)が来院しました。ロタにしては時期が早いので、「ノロでしょう・・・」と親に説明して、その2人共に、A君同様に、五苓散を注腸をして、200ml点滴して帰しました。
 実は、その3人共、お隣の町で同じ保育園、同じクラスに通っている子どもだったのです!
 Cちゃんは、家で、当院作成の五苓散の座薬(1g)を持っていて、(祖母が当院のナースのこともあり)使用していました。が、漢方薬は、飲めません。A君も飲めません。が、B君は、飲めます。
 で、A君とCちゃんは五苓散でなく、美味しいナウゼリンを処方し、B君には、五苓散を処方し、点滴ロックの状態で帰しました。
 21日(木)、3人共朝早く来院しました。一番元気なのはB君で、初めの注腸後から全く嘔吐なく、五苓散の注腸を再びし、点滴150mlして、点滴抜去して、帰しました。
 A君とCちゃんは、まだ、(前日よりもいいのですが)元気なく、Cちゃんの便を検査すると、ノロウイルス陽性(!)でした。五苓散を注腸し、二人共に、点滴200ml入れて帰しました。
 22日(金)、再びA君とCちゃんが朝来院して、二人共、嘘の様にニコニコ顔になっていました。朝の食事量が普段のまだ半分とのことで、二人共、100mlだけ点滴して、注腸せずして、点滴抜去して帰しました(もうどうもなければ、再来不要と告げて)。
 22日(金)、同じクラスの別の1歳男児(D君)が、朝5時から嘔吐して、11時過ぎに(それまで、眠っていて、来るのが遅くなったいましたが・・・)来院しました。五苓散の注腸し、点滴200ml施行し、五苓散飲めるので、それを処方し、ロックして帰しました。
 23日(土)、D君、ニコニコ顔で来院しましたが、まだ、食事が半分とのことで、点滴100mlして、注腸なしで、後来院不要と告げて帰しました。
 この日(23日、勤労感謝の日で、多くの医療機関が休診)、里帰り出産予定の母親に連れられて、2歳男児(E君)が、21日から嘔吐しているとのことで、初診で来院しました。ちょっとは食べていましたが、嘔吐今朝も止まらに状態で、顔色蒼白でした。検査をすると、炎症反応のCRPも、白球数も正常で(←ウイルスパターン)でしたが、BUN(尿素窒素)の値が17.7もありました(←脱水パターン、乳幼児では、正常値は、8.0もない)。
 五苓散注腸し、点滴200mlしました。注腸して1時間も経たないのに、ニコニコ顔になって座っているので、私も母親もビックリしました。
 E君、ロックして帰し、五苓散処方し(お守りに、ナウゼリンの座薬を処方して、翌日(日曜)の午前中に来てもらうことにしました。
 24日(日)の午前中、E君、その後全く嘔吐せず、何とか五苓散も飲めて、ニコニコ顔で来院しました。100mlだけ点滴してこれで点滴終わりにし、後経過良ければ来院もなしにしました。
 この日(24日)の午後、又、4歳の男児(F君)が、この日の昼過ぎから、6回ほど嘔吐して、腹部陥凹、顔面蒼白状態で、初診で来院しました。点滴し、五苓散の注腸をしました。
 しばらく、ノロウイルスの感染が続きそうです・・・?!!

 五苓散、ホントによく効きますね・・・?!(←この症例だけでなく、数多くの症例で、五苓散の効き目に、いつも驚いています!)
 食事療法としては、一度に沢山食べることない様に、3日間は、どうもなくても要注意、冷たい物、甘いもの、柑橘類を出来るだけ避け、雑炊を与える様に指導しています。
 急性胃腸炎の治療のポイントは、兎に角、嘔吐の初めの日にどうするかが大切で(下手をすると、ズルズルと1週間も元気ないのが続くこともあり)、嘔吐があれば、欲しがってもしばらくセーブして、嘔気・嘔吐を出来るだけ早く取ることだと思っています。

 ところで、医療費の事ですが、当院では、3歳未満はマルメなので、どんなに高度な検査を沢山しても、点滴をしても、高価な抗生剤を使用しても、処方だけで帰しても、同額となります。又、上天草市では、親の所得に関係なく、小学校3年生までは、無料となっています。(←公的病院の小児科の多くは、赤字ですね!)

*写真は、当院作成の五苓散の座薬です(1g)。熱証に使う解熱剤の黄連解毒湯も、当院作成し、アデノウイルスなどに頻回に利用しています。


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