日本の心・さいき

日本の心で、世界平和の実現を!

問 診・・・

 NHKテレビで、研修医が4人出て、問診を中心に診断名を当てる番組がある。病名を付ける場合、問診が如何に大切かがよく解る(・・・←昔から、医師の間では、よく言われてきていることですが・・・)。
 つい最近、そのことを強く経験した・・・。
 3歳の男児で、休みの日の午前中に受診した。祖母が連れて来た。喘鳴強く、起座呼吸で、明らかに「気管支喘息」発作(よく眠れないし、食べないので、中発作)。
 で、私は、祖母に尋ねた。「いつからですか?」→「今朝からです。」、「こんな発作はいつからですか?」→「今朝からです。」、「咳をしていたのは、いつからですか?」→「昨日の夕方からです。」、「その前に、鼻水とか風邪症状はなかったですか?」→「なかったです。」
 (外来では、SpO2が96%前後あったので)吸入すれば(急に発作が起きているので、直ぐに)軽くなるだろうと思っていた。が、吸入後も、まだ、努力呼吸で、きつそうにしている。それで、200mlの点滴をして、帰る時に、又、吸入をして、帰すことにした。
 点滴が終わる頃になっても、あまり改善が見られない。SpO2が92%前後になっている。(あれっ、こんなはずじゃなかったが・・・)そして、又、祖母に私はしつこく尋ねた。「ホントに、昨日の夕方からで、その前は、どうもなかったんですね?」→「ハイ、咳はしてませんでした。」
 外来処方箋を没にし、入院となった。それからが大変だった。SpO2が82%まで下がり、90%以上にならない。夕方、写真を撮った。右側に少し影がある。(急に肺炎になるはずないのに、無気肺かな?)
 外来でのCRPの検査では、さほど高くなかったが、再び、CRPの検査をしたが、やはりさほど高くないので(SAAも)、ウイルス性と考えた。ステロイドを投与し、気管支拡張剤(アスプール)の吸入を酸素と同時に投与する(この時、喘息重積発作の状態)。すると、幸いに、嘘の様に軽快し、いままで寝てない為か、眠ってしまった。(苦しいと眠れない、経過がいいとこんな感じで、点滴中に眠ってしまう。・・・経過良好!)
 母親が、仕事が終わって、18時過ぎから付いていた。すかさず、私は尋ねた。すると、意外な答えだった。
 ・・・「咳は1週間前からありました。鼻水と咳がずっと続いていました。(入院の前に)運動会に出しました。本人、いやがっていました。(・・・←きつかったのかな?)。薬は、前、病院からもらった薬を、症状が同じなので上げていました。」(・・・←それを聞いて私は、「絶句!」って感じになったが・・・。)
 つまり、ストーリーとしては、前々から咳をしていて、(ウイルス性の)気管支炎があり、それに、運動会で無理して、喘息発作が起きた。今は、喘息発作と(右肺のウイルス性)肺炎の状態。この日、20時過ぎまで診ていて、22時過ぎ、0時過ぎ、翌朝6時過ぎに病棟に電話。(幸いに、落ち着いて、子どもがよく眠っていた・・・ホッとする・・・) (3泊4日で、SpO2が98%になり、元気に退院しましたが・・・)
 正確な問診を如何にして聞き出すか、それは、親御さんと医師との共同作業。
 小児科医は、子どもだけでなく、親御さんもしっかりと診ていないといけないなあ・・・医療費、二人分もらってもいいかな・・・?!