日本の心・さいき

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将来の医療アラカルト(バイト医:1/10)

 バイト医師が増えている・・・。転々とアルバイト勤務を続けながら生計を立てているのだ。バイト医、つまり、フリーター医師なのだ。それも、30代や40代で。(私は、60代で、同じバイト医だが・・・)
 インターネットで探せば、大都会では、バイトは簡単に手に入る(医師不足は、田舎だけで、大都会は不足してないはずだが・・・?!)。医師のバイト料はいい。家族も支えられる。常勤医に戻ろうと思えば、直ぐにでもなれる。多くの医療機関で、医師募集をしているから。しかし、一度フリーになると、戻ろうとする医師は多くない様だ・・・?!
 東南アジア(タイ)で、遊び呆けた感じの医師がいた。救急病院で、数カ月がむしゃらに働き、残りの半年以上を海外で過ごしているケース。何せ、タイでは、100万円もあれば、1年間、メイド付き、立派なマンション付きで、充分に暮らせる(私がチェンマイに行って、確認)。
 「あのまま勤務していたら、過労死していた・・・」
 「裁判沙汰になった時、忙しかったからと言う理由は通らない・・・」
 「もう、やっていられない、限界・・・」
 ・・・救急病医で働く彼らには、労働基準法も何も、あったものでない。当直明けにも、普通に働く。週2回の当直のケースも多い。小児科だと、相手が急変するだけに、殆ど寝る暇はない。深夜でも、主治医は起こされる。小児科の場合、36時間勤務と言えば、そのまま、フルに36時間勤務なのだ。
 一人辞めると、しわ寄せが残りの医師にドットと来る。その分、基本給が高くなる訳でない。産科や小児科では、そのきつさに耐えかねて、次々と辞め、その科が病院から消えている(その病院にとっては、最悪のシナリオ)。
 高給と言っても、累進課税の関係で、税金がドット来て・・・→税金で取られるなら、そんなに高給でなくて、人間らしく生きたい、(先々の事を考えて)自分の体や家族を大切にしたいと思っているドクターは、多い!!バングラデシュダッカに行った時、産婦人科医の研修医が、自分の給与には、税金が掛からないと言われていたけど・・・(←いい制度ですね、しかし、その産婦人科医、週に3〜4日間連続当直していたかな・・・?!)。
 高給もポストもプライドも捨てて、救急病院を去っていく責任感の強い医師が、今、多くなっている。彼らは、ギリギリまでホントに頑張ったのだ。しかし、過労死寸前で、もう、限界なのだ。
 彼らの体のことをまともに取り合ってくれる経営者何て、この厳しい医療財政の中では、皆無に近いのだ。少なくとも、救急病院の忙しい科で勤務している多くの医師は、そう思っている・・・?!


*参考図書:「医師不足が招く医療崩壊」 永田宏 集英社新書 2007年10月出版 660円