日本の心・さいき

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双 子・・・

 (ある日の)午後、手術室で、双子が産まれた。帝王切開した後に、直ぐにインファントウォーマーに移動。一つのインファントウォーマーに二人の赤ちゃんだと、少し狭い。が、一人の小児科医で診るとなると、近いので、同時によく診れて助かる。助産師さんも、この日は、二人付いている。
 少し緊張したが、二人とも、立て続けに元気に泣いてくれて、ホッとした。37週6日で、アップガールスコアも、5分後は共に9点(末梢のみチアノーゼ)で、肺の湿性ラ音も、殆ど聴かれなかった。体重は、3030gと2665gで、予想よりも少し大きめだった。
 当院では、産まれるまで、性別を教えないことを原則にしているが・・・。又、産まれると直ぐに母親の乳首を吸わせる。これが小児科医にとっては、帝切直後は、スゴク時間が長く感じられてならない(早く保育器にと思うのだが、・・・母と子のスキンシップには、欠かせないので・・・)。
 病棟に行くと、親族が沢山。「気道に肺液が入っていて、それが、下からでなくて帝王切開だと、取れない状態で産まれて、見ていると呼吸の数が多くて心配になることがありますが、多くは、次第に取れてきて、殆ど心配ないことが多いので・・・」などと説明しているが、家族は、理解できているのかどうか?
 私が平成17年8月に来て、双胎の帝王切開は、これで2回目。帝王切開は、月に1例はあり、特にこの1カ月は、4回もあっている。昔と違って、高齢出産が多く、産科医も、四六時中、いつどうなるかと思って気が休めない様だ。
 経験的に、一つの子宮の中に二人入っているので、片方が小さ過ぎたり、弱かったりと、いろいろあることもあり。双胎は、かなりの数、初めから診てきているが、20年以上前のことだが、昔、双胎と思ったら、3つ子で、その内の一人が既に子宮内で石灰化した感じになっていた例があった。
 800万前後の卵から、生直後は、ちゃんとした卵が100万近くに減り、思春期にはそれが30万程になっている。それから一生に500程排卵され、その中の一つが選ばれてヒトになるのだ。
 ある研究によると、産まれてきている人の4〜5人に1人は、かって双胎で、産まれるまでにも一人が(跡形もなく)消滅されているとか。
 そう思うと、多く同僚の犠牲で授けられた命、最後まで有効に使わないといけないなあと、つくづく思います・・・?!!