日本の心・さいき

日本の心で、世界平和の実現を!

診療雑感・・・


 沢山の患者さんを診させてもらって・・・→沢山の勉強をさせてもらいました。患者さん1人1人が皆違うので、症状の経過の仕方も、治療に対する反応の仕方も、違います。(・・・←当たり前ですが!)
 薬の副反応(今は、副作用と言わずに、副反応と言う?)、思った以上に多いと思います・・・?!
 自分を例に取ると、(カルシウム拮抗剤の)血圧降下剤でありましたし・・・歯肉炎で歯科口腔外科を受診して、1回でいい抗生剤をもらって服用すると、お腹の調子が悪くなったことなど、経験しています。
 子どもの親御さんから、「抗生物質飲んでから、便が柔らかくなりました・・・」とか、「解熱剤をもらっても、又、熱が上がります・・・」と、しばしば言われてきています。
 抗生物質と解熱剤、子どもに関しては、特に副反応の多いものです。抗生物質で熱が出た子もいました(入院していた子で、親から、薬を入れると必ず熱が出ると言われて、気が付きましたが・・・又、点滴だけで、発疹の出た子も何人かいましたが・・・)。現在使用されている抗生剤も、耐性菌の関係で、昔とかなり違ってきています。(・・・←日本の場合、特に、耐性菌の問題が深刻で、免疫力が低下した患者さんの場合、それに罹患して亡くなるケースもありますが・・・)
 抗生物質は、細菌感染に効果がありますが、子どもの感染症の大半はウイルス感染で、ウイルスには全く効かないので、逆に、あげるとその後の副反応の方が少なからず心配になりますが・・・。(・・・←ドクターにより、使い方、それなりに違いますね・・・)
 日本の場合、解熱剤として、しばしばアセトアミノフェンが使用されていますが、解熱剤にしても、時代と共に変化しています。昔は、バイエルのアスピリンが一番安全だと上の先生から言われて、堅く、永いこと、それを信じていましたが・・・→今は、使えませんね。
 そのアセトアミノフェン、熱さましとして使用されるだけでなく、痛み止めとしても、大人から子どもまで、幅広くしばしば使用されています。が、肝障害が問題になることもあり、量と回数には、注意が必要ですね・・・。で、(解熱鎮痛剤としての)効果としては、根本的な治療でなく、あくまでも対症療法ですね。体が、熱を上げて治そうとしているのに、無理に下げて、治りを遅くしている場合も確かにあるのですが・・・。
 ケースバイケースで、いろんな状況があります。「抗生物質下さい」「熱さまし下さい」「点滴して下さい」「検査して下さい」「レントゲン撮って下さい」「入院できません、毎日通いますので、外来で治して下さい・・・」・・・親御さんの要求も、今は、様々です・・・。
 しかし、結果として、日本は、1億以上の人口を抱えながらも、世界がうらやむ程の皆保険(!)です。しかも、今では、小さな子は、医療費無料って感じの所、多くなっています。日本は、周産期死亡率・新生児死亡率・乳児死亡率で、世界のトップを走っているのです。(・・・←産科・小児科の不採算など、多くの問題を抱えていますが・・・!)

 自分なりの経験から・・・
その1)入院ベッドを持って開業していた時・・・→「今度は、お母さんが付いているので、早く熱が引くはず・・・」とナースが言う。初め信じられなかった。何度も熱で入院している子で、母親以外が介護に付くと、熱がなかなか下がらない。母親が付くと直ぐに下がる。(・・・→小さな子どもでは、母親の愛が、治療上、とても大きいですね!)

その2)入院ベッドを閉じた後・・・→喘息発作でしばしば入院していた子が、(私が不在となったのに、他の医療機関にあまり掛かることがなくなって)発作が起きなくなっていた。(・・・→医療機関依存症って感じになっていたのか?!)

その3)男児は弱い・・・→救急の数も、はっきりと男児の方が女児よりも多い。双胎の男女では、男児の方が直ぐに病気になり、治りも遅いことをしばしば経験しました。

その4)小児救急医療に付いて・・・→1日1回でも、時間を決めて時間外に診れば(佐伯市では、約20年間、20:00〜21:00と決めて診ていましたが・・・)、患者さんと上手くコミュニケーションが出来、手遅れになることは極めて少ないと思われます。(・・・←小児科医の資源は限られていますので・・・→受診側の理解と協力、更には、行政の大きなバックが必要ですね!)

その5)子どもがしばしば病気にならない為には・・・→母親を安心させる→子どもが安心する→子どもの免疫力が高まる→治りが早い!(・・・←母親を安心されるには、どうするべきか?これが大問題かも知れませんね・・・?!・・・←医師が難しそうな顔をしていたり、説明が難し過ぎたり、不安を掻き立てる感じになっていると、治りが遅くなるかも知れませんね?!)

その6)売上・・・→私の場合(19床入院設備を持って小児科単科の開業で8年半余)、12月〜3月までは、黒字、4月〜7月までは、トントン、8月〜11月までは赤字って感じでしたが。(・・・←採算を合わそうと思えば、体が壊れるし、体を考えて医療をすれば、採算が合わない・・・当然の結果で、廃院になりましたが・・・)

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