日本の心・さいき

日本の心で、世界平和の実現を!

心室中隔欠損症・・・

 ある大学病院で、熟練した(自信満々の)医師が、極めて小さな初期の胃ガンを見付けて、(得意げに?)ある若い患者さん(男性)に説明した。
 次の診察日、その男性は、主治医の所に来なかった。説明された日、病院から帰る途中で、ガンと言われたことでショックを受け、自殺してしまったのだ。
 主治医の医師は、自分の思いと患者の思いに、大きな隔たりがあったことを知った。
 そんなこと、医師と患者さんとの間には、しばしば存在する・・・?!

 午後から当院出生のベビーの1カ月の乳児健診があった。その内の一人は、初産で、日齢1で、心雑音があった(第3〜4肋間の胸骨左縁で、Levine1.5〜2/6の高調な収縮期雑音)。産科医の二人と自分と助産師で、母親への説明が違うと、母親が不安になると思い、産科医の二人と助産師に説明して、説明者は自分一人にしてもらった。それと、退院時に心雑音がなければ、心臓の事は何も言わなくてもいいかなとも思っていた(心配すると、母乳が出なくなることもあるので・・・)。
 毎日聴いていると、次第に雑音の強さが小さくなり(Levine1?)、退院時には、有意な心雑音に思えなくなった。
 しかし、退院時のエコー(カラードップラー)では、はっきりと(小さな孔は見えないが)左室から右室への血流が見られ、孔があることが証明された。
 母親には、エコー検査の前に(あっても小さい穴で、閉じる可能性が大だと)説明し、エコー検査後もそう説明した。している途中で、母親が、気分が悪くなってしまって、部屋で横にならざるを得ない状態となってしまった。(後で、祖母に聞くと、母親は、とても心配症とのことだった・・・)。
 説明する方としては・・・→孔が小さいし、その部位も筋性であることより、その孔が閉じる確率が非常に高いので、良かったなあと思って説明していたつもりであったが・・・。(その場には、助産師もいて、祖母と母親に説明していたが・・・)
 そのベビーが1カ月の健診で来院した。やはり、何度聴いても、有意な心雑音はない。機嫌も顔付きも普通で、飲む力も強く(母乳のみ)、体重の増加も1日40gずつ増えている(この時期、1日25g〜30gが正常だが)。
 で、今回は、てっきりエコーで正常と思っていたが、ほんの少し、エコーで(カラードップラーで)、まだ、左室から右室への血流が認められた(が、明らかに、改善している!)。
 母親と祖母にその旨を説明した。母親、今度は、充分に納得した感じになっていた。
 説明って、受け取る側、人それぞれで、同じ説明をしても、受け取り方にかなりの幅がある。良かれと思っての説明も、そうでないこともある。
 思うに、生直後と退院時の聴診所見で心雑音に気が付いてなければ、1カ月健診でも何も言われず、そのままになってしまったはず・・・。
 心室中隔欠損症、自然閉鎖の方が多い。気が付いてないだけで、思った以上に多いのかも知れないし、今までに見落としもあったかも知れない。
 自然閉鎖が多いだけに、説明も、それなりに難しいと思っている・・・?!