日本の心・さいき

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早期教育

 大脳生理学的に、小さい時からの方が上手く行くって感じで、昨今、早期教育を始める傾向になっています。時期も低年齢化傾向にあり、中には、乳児期から取り組んでいる親御さんもいる様ですが。
 この是非に付いて、いろんなことが言われています。内容にもよると思いますが、どれが正しいのか、私には、もちろん解りません。
 ただ、次の事実を述べてみたいと思います。
 もう、20年近く前になりますが、自宅の近くの小学生に(自分の子どもを含めて)茶道を教えました。で、「子ども茶会」を自分が主となり、自分の所属する社中の協力の元に、それ以後何度か開催したのですが、その間、子どもの才能に付いて驚かされることが沢山ありました。
 教えた10人ばかりの小学生(3年生〜6年生)の中で、スゴクもの覚えのいい子どもがいました。同じ様に教えているつもりなのですが、覚える能力にはっきりと差があるのです。長い20分以上の茶箱(卯の花点前)の順番を、いとも簡単に覚えられる子がいました。私は、その時、子どもは天才だと思いました。
 同じ学年の子どもが出来ていると、子ども達の意気込みが違っていました。全くの遊び感覚でしていました。(母の手作りの)美味しいお菓子を付けて。(意識的に)褒めることを積極的にし、上手く行かなかった時でも、「初めはそんなもんだよ」って感じで言って、本人の自尊心を出来るだけ傷つけない様にして、教えて行きました。
 出来ない子がいましたが、その子、茶道がとても好きだったんですね。それで、一生懸命努力して、ちゃんと出来る様になり、お茶会では、親の前で満足そうにお点前をしていました。
 努力すれば成果が出て、それをちゃんと認めてあげて、「努力すれば出来る!」と言う自信をその子に付けさせること、この実体験が小さい時に大切なことだと思いました。そのことが社会の為に役に立っていると言うことをしっかりと感じ取れると、もっといいかと思います(お茶会の収益金は、全て寄付していましたが)。
 私の茶道の師匠が言いました、「直ぐ覚える子は、直ぐ飽きます。出来なくて、努力する、これがいいんです。で、いつかは必ず出来ますから。覚えたり忘れたり、その繰り返しです。」と。
 子どもに関しては、遊び感覚でないと続かないし、ホントに身に付かない感じです。いやいややっている事、時間の経過と共に、スッと忘れてしまう傾向にありますね。
 大脳性理学的にも、どの領域に関しても、早期教育がいいとは限らないと思います。例えば、総合的な見方の能力何て、晩年に、今までのことが集大成されて出来上がるモノと思います。
 子どもの場合、その子どもにちょうど合う時期が当然あるべきで、早咲き遅咲き、人によっていろいろだと思います。知情意のバランスが必要だとよく言われますが、その中でも、情、つまり、感情の基礎が小さい時にしっかりと出来ていることが最も大切なことだと思います。無理に知識を押し付けなくても、元々、子どもは好奇心旺盛ですから。知識なんて、後でも充分に間に合うと思います。もちろん、紫式部モーツアルトの様に、スゴイ天才的な存在になるには、生まれ持ったモノも必要かと思いますが。
 囲碁の○○氏が言われていましたが、・・・親から付き添われて、将来、プロを目指して入門しようとして来るけど、初めに本人と指してみて、「お母さん、プロとして生きるには、ちょっと無理の様です。アマチュアで楽しく趣味としてされた方が・・・」と言ってあげるとのこと。
 世の親は、子どもには子どもの世界があると言うことを認めてあげることが大切ではないでしょうか。

*写真は、市立茶室「汲心亭(きゅうしんてい)」でお点前の練習をしている息子。その後、極真空手エレキギターと持つモノが変わりましたが。


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http://www.glico.co.jp/glico/boshi/futaba/no68/con01_03.htm