日本の心・さいき

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シークレット・サンタクロース

 11月9日(水)のフジテレビの「奇跡体験アンビリーバボー」で、とてもいい話がありました。 
 毎年、クリスマスの日に、貧しい人たちにそっと20ドル札を渡すサンタクロース、それを20年以上もしてきた人の話。
 1971年の11月に、勤めていた会社が倒産して、無一文になったしまった当時23歳のラリーは、お腹ペコペコの状態で、路頭に迷っていた。空腹に耐えかねたラリーは、あるレストランに入り、無意識に注文して、貪るように腹を満たしてしまった。
 腹を満たした後で、お金を持っていないことにハッと気が付き、とんでもない事をしでかしたと思ったが、財布をなくしてお金を探す振りをしようと思い付いて、財布をしきりに捜す振りをしていた。その時、その店のシェフが、「お客さん、これ、そこに落ちていましたよ。」と言って、20ドル札一枚をラリーに手渡した。あっけにとられてしまったが、ラリーは、その場の飲食代を支払うことが出来て、その店を出た。
 そのシェフの優しい心遣いを常に思い出して、その後、ラリーは、必死で頑張り、翌年、警備会社を立ち上げた。結婚し、生活も順調だったラリーだったが、再びどん底に陥る。
 1977年の12月、不況で会社が倒産。単独で、銀行強盗を起こそうと思ってピストルを持って銀行に行って犯行に及ぼうとした正にその瞬間、自分の目の前で女の子がその銀行に20ドル札1枚を差し出して預金しようとしている姿を見て、あの時の20ドル1枚を思い出した。
 ハッと我に返って、「自分は、何てことをしようとしてるんだ!」と思い直して、銀行強盗を留まる。
 その後、改心して、セールスマンとして、再び懸命に頑張ったラリー。一度、その時のシェフであるテッド・ホーン氏に会って、本当のことを知ろうと思った。で、その時のことを彼に話すと、そのシェフは、「クリスマスは、どの人にも与えられるもの、何故なら、それがメリークリスマスだから」とニッコリとして言われた。
 ラリーは、その後、大胆な行動を取った。銀行に行き、妻には内緒で、貯金の全財産を下ろし、困った人々に、(自分が誰か解らない様に)サンタの服で、自分がしてもらった様に、20ドル札1枚を見ず知らずの人に配って行った。
 不思議なことに、その翌年から、事業が上手く行き、
人々に配る金額も増え、街に、シークレット・サンタの噂も広まった7年目、妻にラリーの行動が知れてしまった。しかし、妻は、それを喜んで受け入れ、家計を切り詰めて、サンタに協力すると言ってくれた。
 2007年1月、ラリーは、食道ガンの為にこの世を去る(58歳)直前まで、シークレットサンタの活動を続け、多くの人々を幸せにした。
 話は、ここで終わらない。ラリーの亡くなった後、ラリーに代わるサンタが沢山街に出現したのだ!
 彼が亡くなっても彼の生き方が今も生きているのです。
 そうです、やはり、「相田みつを」さんが言われる様に、「奪い合えば足りず、与え合えば余るのです!」。
 「小欲知足」って言葉も、いいですね。