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収入と満足度

  「収入と満足度」

 収入が多いのにこしたことはないとは思いますが、金ゴンみたいになっても、困りますね。お金は、使う為にあり、貯めるだけが目的でなく、その都度、上手に使っていくことが大切ですね。
 アメリカのGSS(総合的社会調査)で、収入と幸福度の相関関係を見てみると・・・→
 (年収2万ドル以下、2万ドル以上、5万ドル以上、9万ドル以上と分けて)収入と、4つに分けて、幸福度の関係を調べています。「幸せでない」「幸せ」「とても幸せ」の3つで答えさせると・・・→
 「幸せでない」が最も多いのは、2万ドル以下の人で、「とっても幸せ」が最も多いのは、5万ドル以上の人と9万ドル以上の人(両者に差がない!)となっています。
 5万ドル以上の人も9万ドル以上の人も、「幸せでない」「幸せ」「とても幸せ」の割合に殆ど差がない結果が出ているのです。年収10万ドルの人も100万ドルの人も、幸福度に差はないのです。
 ハーバード大学社会心理学教授ダニエル・ギルバート氏は、「私たちは常に幸せにつまずいており、常に環境に順応し続けている。」と言われています。
 失くして、今まで如何に幸せだったかと、やっと気が付く人もいます。青い鳥の様に、身近に幸せになる要素が沢山あるのに、なかなか気が付かないケースも多いと思います。
 常にヒトは、行動に選択を迫られます。イエスかノーだけでなく、3つや4つの中から選択したり、自分なりに優先条件を点数化したり、多くのファクターを機械的に入れ込んで、選択する場合もあります。
 そんな時、「直観」と「理性」がぶつかり合って、決断することになります。
 「直観」が教えてくれるものは、「今欲しいのは何か?」と言うことです。「理性」が教えてくれるのは、「この先、欲しいものは何か?」と言うことです。「直観」には、「理性」の様に緻密な数式はありません。
 例えば、結婚相手を決める時を考えれば・・・
 ある女性が結婚相手を決める時、コンピューターで(給与・学歴・経歴・家柄・身長・年齢・趣味で)ピッタリの人がいて、その人と結婚しようと思っていたのですが、最後の最後の所で、何故か気が進まず、いつも自分に思いを寄せている(給与も低く、高学歴もなく、家庭も複雑だが、とても心の美しい)人を「直感」で選ぶテレビドラマがありましたが・・・。
 シーナ・アイエンガー教授は、「幸せになる為の選択を惑わす4つの障害」に付いて述べています。
1)「数値にこだわり過ぎる」
 大切なことは、客観的な数字に出ません。この場合、直観力が非常に大切なこととなります。
2)「自分の欲しいものが分からない」
 人間は自分が「欲しいもの」が分からなくなると幸せを感じられなくなります。「欲しいもの」が分かっている限り幸せになれます。
3)「幸せをもたらすものへの過度の期待」
 人間の創ったお金やモノは、幸せになる為の手段でしかありません・・・。
4)「分かっていても間違った選択をしてしまう」
 直観は、理性についつい負けてしまう傾向にあります・・・?!

 ミケランジェロの言葉を借りて言えば・・・人生は、単なる大理石から、限られた時間に、どんどん余分なものを削って行って、最後に、自分なりの芸術作品を創る上げるようなものではないでしょうか。出来るだけいい芸術作品を残したいと思えば、自分で選んだ選択を着実に実践する強い意志が大切だと思います。

*NHK教育テレビ「白熱教室」でのコロンビア大学ビジネス・スクール教授 シーナ・アイエンガーの講演内容より引用
http://www.am-one.co.jp/warashibe/article/chiehako-20210210-1.html(←満足度と幸福度)
*写真は、上天草市立上天草総合病院の忘年会で、和太鼓を打っている私です。

(令和3年5月21日、再掲)

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