日本の心・さいき

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小児科・・・

 8年前の平成22年10月16日に記載した内容です。

 病院から小児科が消えつつあります。集約化と言うことで、小児科医を集めて、そこで集約して小児医療をすることになり、小児科常勤医一人や二人だけの病院から、小児科が消える傾向にあります。
 小児科開業医で、入院設備を持っている例は、実に少ないと思われます(私は、19床も持って、8年程していましたが・・・)。理由は、小児科入院は、採算が合わないからです。
 (入院設備をちょっと持っていた)小児科のみの開業医が次の様に言っていたのを思い出します・・・「夜、急患で来て、1泊して帰すとなると、ナースを一人付けないといけない。その当直料の方が高くなる・・・」と。
 自分の例ですと、夜入院して、点滴などして、翌日の午前中に帰す場合(私の場合は、平日は、朝、7時半から事務員さんも来て、診ていましたが)、受付で、(当時、子どもは3割負担だったかな?朝食も摂って、入院2日分で)5000円でお釣りがあり、親御さんからは、「(病院との差の大きさに驚いて)これ、間違いでは?」と、当初、しばしば言われていましたが・・・。(診療所の入院料は、病院の入院料の半分!その日に来てそのまま入院した場合は、外来での診療費はゼロ。)
 診療所の小児科専門医院の入院の場合は、全て救急で、入院期間も平均2〜3泊のことが多いので、とても忙しい。多い時には、ナースを12人程(看護学生も入れて)雇っていたこともありましたが・・・。
 今は、小児科の診療報酬、以前よりもかなり改善していますが、それでも、予防接種や週休2日制や少子化の影響で、小児科だけでの開業は、かなり厳しくなっています。自治体病院も、複数の小児科常勤医では、採算が合っていない例が多いと思われます。
 しかし、ある産婦人科の先生から、次の様に言われたことがありました・・・→お産で何かベビーにあった時に、その場に小児科の先生が立ち合ってくれていたら、その後、何か起きて結果が悪くなっても、親御さんが納得してくれるんですよ。これが、いなかった場合は、「あの時、小児科の先生がいたら・・・」と後から言われるんですよ・・・。
 又、ある内科の先生から言われました・・・→夜来て、自分が診ようとすると、「小児科の先生じゃないんですね?」と言われると、ショックですね。診察後に、「今日は、小児科の先生はいないんですか?」とナースに言っているのを聞くと、ガクッときますね。ホント、これ、きついです・・・。
 ムーッ、小児科医の方にも、資源は限られているし・・・一人の小児科医が一生懸命に診ていて、手に負えないと判断して他の医療機関に紹介した場合、(送り先で経過が長引くと)「もっと早くに○○病院に送ってもらっていたら・・・」とか、「しっかり検査をしてもらっていたら、こんなにことにならなかったのに・・・」とか、いろいろクレームが親御さんから付くこともありますが・・・。

*8年前の内容ですが、小児科も、それから、様変わりしています。予防接種が変わりました。いろんな検査が出来て、抗生物質の使用量が少なくなりました。喘息の治し方、救急医療の整備など、そして、今も、どんどん変化しています。

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000096261.pdf#search=%27%E7%97%85%E9%99%A2+%E5%B0%8F%E5%85%90%E7%A7%91%E6%B8%9B%E5%B0%91%27