日本の心・さいき

日本の心で、世界平和の実現を!

小児科外来での出来事(その14)

 小児科外来では、他の医師が診ていて、その状態で、患者さん側の判断で来院して、(ちゃんとした紹介状がない状態で)どう判断したらいいのか、難儀することがしばしばあります。
 年少の男児で、耳鼻科に掛かっていて、中耳炎があって(鼓膜切開をしていて)、その治療をしてるのに、熱が下がらず、私でない小児科の医師がその後診て、耳鼻科と違う別の強い抗菌剤を3日分上げていましたが、それでも、熱が下がっていないので、私の外来に来院していました。
 検査するも、CRPは、さほど高くなく、白血球も、さほど多くなく、ウイルスと思われましたが、何せ、高熱が1週間近く続いていました。
 母親は、熱が下がらないのでとても心配と言い、私なりに耳の中を見ると、中耳炎も疑われる所見にも思えたので(乳様突起炎ではない様だが)、耳鼻科をもう一度受診したらとアドバイスするも、母親、「耳鼻科の先生は、耳の熱ではないから、小児科の疾患ではと言われた。」と強く主張・・・。
 こんな感じで、親の立場、耳鼻科の立場、私でない小児科医の立場を加味しながら、自分の立場を言いましたが・・・。
 食欲もあり、痛みもはっきりとないが、熱が1週間近く下がっていないので、取り敢えず、後2日分、私でない小児科医の処方をして、漢方薬を追加しました。(→幸い、白虎加人参湯で、直ぐに解熱した感じで、突発性発疹症でした。)
 医療は、試行錯誤で、この様な場合、後で、診断の付くことが多く、初めから、バチッと診断が付けられることは、少ないですね。
 突発疹だと、3日間高熱で、後、発疹が出るパターンが多いのですが、5日間前後もあり(熱が長いのは、ヒトヘルペスウイルス6でなく、ヒトヘルペスウイルス7が多いのでしょうか?)、今回の様に、高熱が1週間のこともあるんですね。年齢にしても、突発疹では、乳児や1歳児が多いのですが、4歳の子も、いましたが。
 子どもが病気の親御さんは、病名がはっきりしない時でも、大丈夫かどうか、園(学校)に行けるかどうかを強く聞いてきます。医師は、経験的なことで、それを説明しますが、絶対に当たる訳ではありません。同じ疾患でも、症状も経過も違います。
 熱があっても、熱の変化をしっかりと付けている親御さんは、少ないです。朝、熱が下がったら、直ぐに行かせる親御さんが多くなっています。家庭の事情もあるかとは思いますが、小さな子であれば、出来れば、丸1日熱がないことを確認して行かせた方がいいケースが多いと思っています。