日本の心・さいき

日本の心で、世界平和の実現を!

基礎力・・・

 何事も、基礎が大切だと思います・・・→
 茶道(さどうでなく、ちゃどうと言うべきでしょうか、英語では、Tea Ceremonyでなく、The Way of Teaと言うべきでしょうか?!) では、まず、割稽古(わりげいこ)と言うのがあり、「ふくさの捌き方」や「茶杓の拭き方」や「茶筅とおしの仕方」など、一つずつ、稽古して行きます。それが出来て、やっと、続けてお点前(手前でなく点前と書いて、てまえと読みますが・・・)をすることになります。それも、初めは、柄杓を使わない「盆略(ぼんりゃく)点前」で、それが出来て、柄杓を使うお点前となるのですが・・・。その前に、畳の上の歩き方やおじぎの仕方やふすの開け閉めの仕方やお菓子の頂き方や掛け軸の見方など、実に細かく覚えるべきことがあるのですが、一つ一つ、体ごとに覚えていくしかありません。
 仲間同士でする時は、別に緊張しないのに、それが、「お茶会」となると、雰囲気がガラッと変わって、初めの時は、コチンコチンに緊張します。
 私も、皆の前で初めてお点前をした時に、柄杓の震えが止まりませんでしたが・・・。
 しかし、それも、何度もして行けば・・・しばしば間違って恥をかきながら・・・年限を重ねて行けば、次第に上手に出来る様になります。
 お点前も、「盆略点前」が出来て、風呂の薄茶(うすちゃ)点前、炉の薄茶点前、棚もいろいろ使って、どんどんお点前が複雑になって行き、「炭手前」、「茶箱(ちゃばこ)」、更には、濃茶(こゆちゃ)となって行きますが・・・その量の多さは、医学部で教わる解剖学以上(?!)で、初め、驚愕してしまいましたが・・・。
 私の茶道の師匠(名誉師範)が言われましたが・・・→
 「茶道を習いに来る子で、日本舞踊をしている子かどうか、初めから、直ぐにそうだと分かりますね。立ち振舞いが、違いますね。立ったり坐ったりする動作が初めから綺麗なんです・・・」と。
 更には、次の様にも言われましたが・・・→
 「初め、私(師匠)の場合は、踊りは、日本舞踊をして、それから能の仕舞を始めたんだけど、仕舞って、わずか3分ほどで、簡単そうに見えるけど、それがどうしてどうして、大間違いで、日本舞踊の(美しく見せようとする)癖がどうしても長い間、取れなくて、それを取るのに、(簡素な美を追求した感じの能の仕舞が何とか出来るまでに)何年も掛かりました。何でも、基礎が間違っていると、それを変えるのって、大変ですね・・・」と。
 師匠は、昨年、他界されましたが、師匠の教えは、私の体の中に染みついて、今もしっかりと生き続けています。