日本の心・さいき

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医師の裏側(その9)・・・

 小児科の急患は、ホントの急患は少ないとよく言われます。確かに、熱が急に出たからと言って、必要以上に深夜に慌てているケースがありますが・・・逆の例もあります・・・それを自験から紹介したいと思います・・・→

1、(宮崎県病勤務の時でしたが)日曜の朝、嘔吐が主訴で、幼児(男)が来院しました。「腸重積症」でした。「いつからですか?}と尋ねますと、「土曜の午後からで、小児科がどこも休みで、我慢してました・・・」と言われました。高圧浣腸で征服出来ず、手術となりました。(←当時、しっかりした小児の救急医療体制が出来ていませんでした・・・)
2、(宮医大勤務の時でしたが)日曜の午前中に、呼吸困難で乳児が来院しました。白血球が3万程あり、その日の内に亡くなりました。熱がなかったので、大丈夫と親御さんは思っていたそうです。(←熱をあげる力のない小さな乳児やお年寄りの場合、肺炎でも、熱が出ない無熱性肺炎あります・・・)
3、(佐伯市の救急病院勤務の時でしたが)午後の乳児健診時に、来院しました。「朝(早く)からずっと起きなくて、寝てばかりです・・・」とのことでした。咳鼻水嘔吐下痢なく、微熱で、手でつねれば、やっと目を開ける程度でした。脳波とCTの検査し、脳外科の先生と相談して、直ぐに大学病院に紹介しました。「ウイルス性脳炎」でした。幸いに、その後、後遺症なく、元気になりました。
4、(佐伯市の救急病院勤務の時でしたが)午後の乳児健診の時に、飲みが少ない、体重が増えないと言うことで、初めて来院しました。多呼吸で、(大きな穴の開いた)心室中隔欠損症による心不全の状態でした。そのまま宮崎医科大学に紹介し、手術となりました。(手術は成功し、今は、立派な社会人として、元気に活躍しています。)
5、(開業していた時でしたが)夕方遅く中学生の男児が嘔吐と頭痛で来院しました。「いつから}」と尋ねますと、「今朝からずっと吐き続けています・・・」と言われました。発熱ないも、はっきりと髄膜刺激症状(仰向けになった状態で、頸を前に曲げたり、足先を上に上げると、頭をひどく痛がりました・・・)があり、直ぐに、大きな病院に紹介しました。頭蓋内出血でした。幸いに、回復しました。
6、(つい最近のことですが)朝からポツンポツンと発疹があり、午後から増えているのに、遠慮して翌日に(沢山発疹が出て)来院している水痘の患者さんがいますが・・・水痘を掻いて、ずっと顔などに傷跡が残っているケースもあります。私は、水痘は、急患になると言っていますが・・・。

*熱があっても、急患でないことが多いのですが、喘息発作は急患、嘔吐が続けば、もちろん、急患ですと説明していますが・・・脱水症で亡くなったり、喘息発作で亡くなった子どもさんもいました。当時、救急体制がもっとしっかりとしていればと、悔やまれることもありましたが、今は、私の周りでは、かなり改善されている(特に、熊本県は)と思っています。
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