日本の心・さいき

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将来の医療アラカルト(医師不足:2/10)




 昭和23年(私が生まれる1年前)、医療法で「人員配置標準」と言って、病院の職員の人数に関する規定が決まった。
 その中で、・・・→
 一般病床・・・入院患者16人当たり医師1人、
 外来・・・外来患者40人当たり医師1人。
 これは、病院が配置しなければならない医師の最低人数(!)となっていた。
 週5日間働くものとして、常勤医と非常勤医合わせてこの人数に達していればいい。入院患者数も外来患者数も、共に1日当たりの平均人数である。1日当たりの新規入院患者数ではない。新規入院患者もずっと入院し続けている患者も全て合わせて、1日当たり平均して何人がその病院に入院しているかの人数だ。(精神病床や療養病床では、入院患者48人当たり医師1人)
 (私が大学に入学した)昭和45年、日本は高度経済成長期の真っただ中で、医師を大量増員することが政策決定された。そして、第1次オイルショックの時の1973年、無医大県解消構想が立ち上げられ、全国で医学部を有する大学が、80大学となった。
 1983年、当初の目標の人口10万人対150人を予定よりも2年早く達成した。その3年後の1986年には、「医師の需給に関する検討会」で、医師の新規参入を最小限10%程度削減することが示され、1987年から国公立大を中心に段階的に定員減少が実施された。
 日本での大きな問題は、60年以上前に決められた数・・・→つまり、1人の医師が適正な診療が出来る患者数は、入院患者のみで16人、一般外来患者のみで40人と言う数!(最低人数だったはずが、上限の数にいつの間にか、すり替えられている・・・→正に、その時、歴史は動いた感じになっている!)
 考えたら簡単に理解出来ることだが・・・→昔と今は、病気が違う。当時は結核が多くて、寝かせておく以外に有効な手段がなかった時代である。いまは、どの病院でも行われている感じの点滴すら、殆ど行われていない時代だった。(子どもが、エキリで亡くなっていた時代で、脱水は、最も深刻な問題だったはず・・・?!)
 医師がやれることは、限られていた。出産は自宅でするのが普通で、死ぬ時も畳の上、せめて最後に医師から診てもらいたいって感じの時代だった・・・?!
 それが、今は、週1回の休みも充分に取れない感じで、有給休暇も利用できなく、兎に角忙しい。患者数が多く、書くことが(とても)多く、訴訟を恐れながら検査も多く、説明もしっかりしないといけない時代・・・→救急病院の多くの医師が疲労困憊している状態にある。
 日本の医師は、ホントに多いのか。世界各国と比べると、この表では、下から4番目。不足しているアメリカやカナダやイギリスやオーストラリアやニュージーランドでは、海外からの医師で埋め合わせている(それでも、まだ、不足気味・・・)。
 日本の医師の数には、年齢制限がない(!)。つまり、ずっと歳をとっても働く者として数えられている!!
 大学病院以外の診療医師の中で、卒後5年以上でかつ65歳未満の医師の数を計算すると、16万前後になって、人口1.000人当たり、医師1.5人になってしまう。(超少ない!!)
 それに、近年、女性医師の割合が次第に多くなっている。その場合、出産や子育てで休まざるを得ないケースも多々ある。(特に、救急医療が必要な小児科では、新人医師の半分近くが女性で、産婦人科では、新人医師の7割もが、女性で占められている。)
 医師不足が深刻なのは、小児科や産科や麻酔科や救急科だけでない。外科系、特に、脳外科や外科や整形外科でも、医師不足が既に大きく問題化している。

http://www.youtube.com/watch?v=_wPyBnl-NgQ&feature=related