日本の心・さいき

日本の心で、世界平和の実現を!

4つの顔(中)

3、悪魔の顔について
 「先生、いくらかかってもいいですから、出来る限りの事をして下さい」と、幾度か言われてきた。しかし、退院時の親の顔は、どうだろうか?
 多くの人は、本来、人間は健康のはずだと思っている。不幸にして病気になった事で、医者は収入を得て、生活が出来ることになる。そもそも、あのまま元気だったら、医者にかかることもなく、不必要な心配もしなくてよかったはずと思いたくもなる。人の弱みに付け込んで、人の不幸で儲けやがって・・・格差社会で、ちょっとの医療費でも、その後の生活に大きく影響してくる今の時代だと、尚更、そう思われても仕方ないかな?
 予防や健診やお産では、(結果に特に問題がなければ)、医者が悪魔に見えることは少ないと思う。しかし、病気で高い医療費(皆保険制度があり、高額療養費制度があり、欧米と比べると、超恵まれていると思うのだが)を払わされることとなると、・・・医者が悪魔に見えること、確かにありか?!
 人間とは勝手なもので、健康の時には健康の有難さが分からない。病気になった時に、健康であったらどんなにいいかなあと思う。特に、ひどい状態になった場合。しかし、健康を取り戻すと、その思いを直ぐに忘れてしまう。

4、4つ目の顔について
 そして、医者には、医者しか分からないもう一つの顔があると思う。
 医者になるまでには、実に多くの困難と試練を伴い、医者になっても、医者しか理解できない苦しみがある。(自分も、医者になって、初めて知ったこと、多いです!)
 まず、医学部に入るまでが大変である。知っての通り、超最難関。特に、今は。国公立の医学部に行こうとなると、地方の医学部でも、東大受験並みの成績が必要とされている。
 小学生の時から、それなりの中学校(その多くは、中高一貫教育の学校)に行く為に、土・日も塾通い。中には、いい塾に入る為にも、競争があるとのこと。大学入試は、(欧米と違って)年に1回しかない。医学部浪人を何年もすると、他の学部に行っても、年がハンディーになって、就職難ってことになり兼ねない。そうなると、何が何でもって感じで、何浪もしている人もいる。(自分も2浪したが)