日本の心・さいき

日本の心で、世界平和の実現を!

昔の原稿・・・

 ある日の深夜、帝王切開で起こされた。赤ん坊は生まれると直ぐに元気に泣き、顔色もいいのに、聴診しても心臓の音が聴こえない。おかしい、どうなっているのだろうかと思い、落ち着いて念入りに聴くと、小さな音がしている。それにしては赤ちゃんは元気だ。おかしい、おかしいと思い、慌てた感じになっていると、執刀医の産科医(故人となられている。お産の時、一緒に仕事をしていたが、55歳の若さで他界された。)がそれに気が付いたのか、こちらを見ている。分かった!・・・耳からはずした聴診器をよく見ると、右と左のホースが交差した所が避けていて、そこから音が漏れていたのだ。
 又、別の患児で、深夜、どうしても蘇生ができず、肺の音も心臓の音も聴かれず、冷たくなっているのに、脈を診ると脈を感じる。おかしいと思い、何度も試みるが同じ。よくよく考えてみると、自分の脈を感じていた。
 医者もヒトの子、特に深夜の救急で生死に関わる時、普段では決して間違えないことを間違えることがある。その時、自分としては一生懸命に頑張っているつもりなのだが、結果が悪いと、不信感を持たれることがある。どんなに不眠不休で頑張っても、その親御さんにとってはそれが何の意味もなさないこともある(救急病院の医者だから、患者が悪い時に診るのは当然でしょって感じで言われたこともある)。
 今年でここに来て丸○年が経った。「若いけど・・・」と当初言われていたけど、今は殆ど言われない。「よく続くねえ・・・」と言う人も少なくなった。医療の難しさを感じている今日この頃である。
 
 (25年ほど前の原稿,、今だと不適切な病名の付け方もありますが。)

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