日本の心・さいき

日本の心で、世界平和の実現を!

日本紅斑熱

 何年しても、初めて経験する病名ってある。
 最近のこととして、川崎病の女児で、いつもの川崎病の経過と違う為に、日赤に紹介したら、エルシニア感染症との診断をもらったことがあった。
 7歳の男児で、9月になって熱があり、他医院にかかっていた。○○日(火)の夕方に高熱とのことで来院した。ウイルスと思って対処した。翌日の○○日(水)の夕方、やはり熱が下がらずに発疹も出たと言うことで来院した。アチコチ探すも、刺口なし。発疹が境界不鮮明で全身にあり、手のひらもあり。発疹が何が不明のまま、抗生剤を処方せずに、ウイルスか中毒疹だろうと判断して(十味敗毒湯を処方して)帰す。で、熱がやはり下がらず発疹も強くなった為に、○○日(木)に皮膚科受診し、やはり、ウイルス性か中毒疹だろうとのコメントをもらう。で、熱が高熱できつがっているので、入院。
 ○○日(金)、内科の先生に診てもらって、「刺口がない。発疹が今までに経験のない感じの発疹。白血球も多くなく、一応、日本紅斑熱の検査の為に採血して外注に出しているが、結果を待てないし、特効薬のミノマイシンを使用したい・・・」と言うと、内科の先生から、「発疹は、日本紅斑熱の発疹とそっくり。刺口、はっきりしないこともあります。畑で遊んでいるし、あの辺、イノシシも多いし、多分、間違いないでしょう。」と言われた。
 で、○○日(金)の夕方、特効薬を一服上げたところ、翌朝は、熱が嘘の様に明らかに解熱傾向となっていて、子どももニコニコしていて、発疹も薄くなっている。
 で、親に正直に、(真面目な顔で深々と頭を下げて)「私、日本紅斑熱の経験、一度もありません。こんなに早く発疹が薄くなるなんて、驚きです。貴重な症例、どうもありがとうございました。」と言うと、母親、嬉しそうに笑っていました。(患者さんが元気になると、医者もホント嬉しい。)