日本の心・さいき

日本の心で、世界平和の実現を!

辻井伸行さん

 昨日、NHKのクローズアップ現在で、辻井伸行さんが出演していた。
 今年の6月7日、アメリカの テキサス州フォート・ワースでの名門ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール史上で、日本人が初めて優勝した。アジア勢としても初の快挙。辻井伸行(20歳)。彼は、同時にビヴァリー・テイラー・スミス賞も受賞した。
 ホロビッツのピアノ演奏を初め聴いた時には、心底驚嘆させられいたが、その時の感動を思い出さない訳にはいかなかった。
 父親は産婦人科医でとても立派な人とのこと。家族愛、師弟愛、いろんな周りの人の支えで彼の素晴らしい演奏が生み出されたと思われるが、彼が盲目であると言うことが、一層、多くの人に共感を与える。
 左手を練習し、右手を練習し、そして、両手を絶妙にコンビネーションさせている。初心者にありがちな、大舞台での速く強く弾く傾向がない。
 太鼓では、打つ直前では力を抜いている、打ち込む力と太鼓の方から跳ね返ってくる力が同じ感じで打つといいと言うと、あるピアニストが言われた、「ピアノって、叩くんじゃなくて撫でる感じで弾くと、いい音が出るんですヨ・・・」と。篠笛のプロも言われていてなあ、「笛は、気負わないで、普通に話す感じで音を出して下さい・・・」と。
 彼の音は、そんな自然に近い音と思う(今も、彼の演奏を聴きながらこれを記載しているが)。
 ピアノは友達、ピアノは体の一部、大きな器になりたい、世界へ挑戦したい、ショパンだったら辻井、ベートーベンだったら辻井って感じで、1人の作曲家の作品を深く追求してものにしたい、などと言われた。

 一昨日に、民放のザ・ベストハウスで、レスリングの大会の模様があった。
 ダスティン・カーター、彼は、5歳にして両手両足の先をを髄膜炎菌による菌血症でスポッと失ってしまった。自宅にひきこもり、ふさぎ込んでいた。そこで、大好きな兄が、無理矢理連れ出したのは、兄がやっていたレスリングの練習場。ダスティンは、本格的にレスリングを始めた。
 無償で指導をしたいと名乗り出たスコットと共に、ダスティンは、5年間にわたる地獄のトレーニングを耐えぬき、ついに地区予選を突破!夢の大舞台、しかし、スレスリング激戦区オハイオ州での大会に挑む!相手は優勝候補の一角といわれる強豪。だが、ダスティンもけっしてひるまない。一進一退の攻防。しかし、相手に技を決められリードを許し、試合は終了。
 彼の夢は終わった。だが、ダスティンへのスタンディングオベーションが鳴り止まない。それに応えるように、ダスティンは高らかにガッツポーズ。控え室に向かう通路で、コーチに抱きつき、人目をはばからず、泣いた。
 5年間地獄のトレーニングをし、わずか3日間だけの栄光、しかし、それでもそれをやるだけの価値はあると彼は言った。

 ハンディーをバネにして、高いものに到達している人を見ると、何か勇気が沸いてくるなあ。頑張ろう!