日本の心・さいき

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医療再建→番組再建?!

 昨晩、NHKで、21:00〜22:50近くまで、延々と「医療再建」の番組をしていた。で、一応全て見た。
 現場の医師が出席していて、いろんな生の意見が交わされるだろうと期待していたのだが、最後まで、そんな感じの激論は少なかったかな。
 小児科の現場の姿が初めの30分間程を占めていたかな。派遣を断られた町の町長が、昭和大学に行って小児科医の派遣をお願いするシーンがあったが、大学も厳しいので送れないと小児科の教授が断る。初め小児科医にてっきりなろうとしていた研修医が、スーパーローテートの研修をしていく内にそれが現実離れしていることを知って、考えが変わっている。
 何か、焦点がぼけている感じがするけど。
 小児科医になりたい医師は結構多いと思う。しかし、今現実に直面してる問題として、救急に携わる小児科勤務医の数が少ない、親の対応が(時にモンスター的な親御さんもいて)難しい、訴訟が怖い、採算が合わない、小児の特殊性で急変するのでしばしば診ておかないといけない、まとまった休みが取れない、家庭生活と両立しないなどだ。
 それ等を改善する対策は、行政がやる気になれば、ある程度は出来ると思う。しかし、今までなされていなくて、多くの小児科医が、肉体的にも精神的にも疲弊して、病院を去っている。事実、私がそうであった。
 もう、犠牲的精神で医療を支えようとしても、無理なのだ。現実に、忙しい科の先生達は、体を壊している。そんな時、誰も体を守ってくれない。自分で責任を取るしかない、→自己責任となっている。事実、私も若くして、睡眠不足とストレスで30台の初めにして、既に心電図に変化が起き、血圧が上がっていた(それ以後、ずっと降圧剤を服用しているが)。
 産科の先生と話すと、お産は大変だが、産まれて赤ちゃんが元気に泣いてくれると、それでホットして癒されると言われる。小児科医だって、救急は大変だけれども、点滴一本すると、五苓散を1回注腸するだけで、急変して元気になるケースが多い。それがとても嬉しくて、小児科医を続けてられて来られたと思うけど(少なくとも、私の場合は)。
 開業しても、1日も休まずに朝から晩まで救急していても、入院ベッドを持って真剣に医療をしてきていても、現実に、私の医院は、潰れているのだ。そんな感じの内容、全くなかったなあ。
 もっと現場の医師の生の声が聴きたかったなあ。