日本の心・さいき

日本の心で、世界平和の実現を!

遺族の言葉

(10月27日 時事通信
 東京都内で8つの病院に救急搬送を断られた妊婦(36)が脳内出血で死亡した問題で、夫の会社員男性(36)が27日夜、厚生労働省で記者会見し、「妻が浮き彫りにしてくれた問題を、力を合わせて改善してほしい。安心して赤ちゃんを産める社会になることを願っている」と訴えた。
 夫によると、妊婦特有の高血圧もなく健康だった妻の容体が変わったのは4日夕。掛かり付けの産科医院に着くころには頭痛が激しくなり、医師が搬送先を探している間中「痛い痛い」と言い続けていた。「こんなに医療が発展している東京でどうして受け入れてもらえないのか、やりきれない思いだった」。
 約1時間後、都立墨東病院での受け入れが決定。救急車では「痛い」とも言わなくなり、「目を開けろ」と言ったら辛うじて開ける状態。「病院に着くころにはもう開けなかった」と振り返り、声を詰まらせた。
 搬送要請で、医師は頭痛が尋常でない状況を伝えていたといい、「伝わらないはずがないと思うが、誰も責める気はない」と夫。最初に断った同病院の当直医について「傷ついて辞めるようなことになったら意味がない。絶対辞めないでほしい」と話した。
 さらに脳死状態で3日間を過ごした妻が亡くなる日、保育器に入ったままの赤ちゃんを連れてきて妻の腕に抱かせてくれて、親子水入らずの短い時を過ごしたエピソードを披露。「墨東病院の医師も看護師も本当に良くしてくれた。彼らが傷つかないようにしてほしい」とした。
 夫は、医師不足や搬送システムなど浮き彫りになった問題について「のど元過ぎれば忘れるのではなく、具体的な目標を持って改善に向かってほしい。何かが変われば『これを変えたのはおまえのお母さんだよ』と子供に言ってあげたい」と話した。

 愛する奥さんを亡くされているのに、こんな発言をされたこと、誠にありがたいと思っています。一言一言が的を得ていて、我々従事者は、救われた感じです。問題の本質を付いた発言、大変有り難く感じました。時間外に来て、(普段と同じ医療が出来ないのに)ちょっと待たせると、変な顔をする人、時間内に来れるのに時間外に来ても、当然って顔をしている人、いろんな人がいます。今回も、無理して墨東病院が入院を許可していることに対して、感謝の気持ちを持たれていること(初めに断ったことに対して病院側を責めていないことに対して)、誠にありがたく思います。医療する側もこの発言で、モチベーションを更に高くしてもらえた感じです。
 医療は、多くの人の力で出来ます。医療側も患者さん側もそして、行政も、もちろんマスコミも、いい方向に行けるように、お互いに協力して行くことが大切だと思います。