日本の心・さいき

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小児科を守る会

 小児科の先生が辞めるらしい。小児科医がいなくなるので、産婦人科もお産の受け付けをストップした。危機感を強めた若い母親らの集まりで、一人がその病院での体験を語った。
 夜8時、子どもの喘息発作で受診した。待合室には30人程。中には元気に走り回る子も。子どもの症状に看護師が気付き、点滴を準備してくれたが順番は来ない。診察は午前2時。入院となり4時に病室へ。少し安心し、ベッド脇で眠ってしまった。朝気付くと、点滴されていた。医師はその日も、外来で診察していた。・・・(省略)・・・
 兵庫県丹波市の「県立柏原病院の小児科を守る会」は、こうして平成19年4月に発足した。スローガンは「安易な時間外受診を控えよう」「かかりつけ医を持とう」「お医者さんに感謝の気持ちを伝えよう」。子どもの状態を判断できる母親になろうと、医師らと一緒に発熱、下痢、咳などを解説した冊子も作った。小児科受診は減って医師の負担は軽減、撤退を食い止めた。逆に医師が増え、時間外の診療体制は充実したという。
 小児科に勤務する医師の労働過密は、県内でも同じ。低く抑えられる医療費、医師不足などが背景にあるが、現状に対し「私たちにできること」のヒントだろう。
(平成20年6月3日の熊本日日新聞の第2面「射程」に掲載された内容より)