日本の心・さいき

日本の心で、世界平和の実現を!

自分を信じれる医師

 朝起きると、ウグイスが鳴いていた。はっきり言って下手。数日前から鳴いているのだが、まだ、上手でない。
 小学生の時にメジロを飼っていた。続けて高い声で鳴いていたが、初めからそんな感じで出来た訳じゃない。日増しに上手になって行った。そして、1カ月もすると気持ちよさそうに高らかに長く鳴ける様になっていた。
 医療も同じだと思う。
 3月11日(火)22:00からのNHKのプロフェッショナル「仕事の流儀」で、67歳の小倉記念病院の院長でもあり、心臓カテーテルでの日本の草分け的存在でもある、心臓内科医「延吉正清」先生が紹介されていた。
 仕事場でも、常にリラックスしている。ニコニコしていて、腰が低い。心カテ直前に気軽に、「全然心配ない」と患者さんに言っている。 見えない一点を射抜く。それが出来るのは、自分の力を信じ切れるから。自分の力が信じれる様になるには、経験しかないと言う。正に、プロの言葉。
 4万5千件程のスゴイ臨床経験を持ち、記録もきれいに整理している。ここまで来るにも、それなりに苦労している。
 北九州市で次男防として生まれ、京大出た後に、心不全で亡くなった妊婦を受け持って、自分の無力さを感じる。その後、33歳で心臓の造影検査を始めている。41歳の時に、それで血管を傷つけ、外科の先生のお世話になる。周りから、「あいつは命を危険にさらしている」と言われる。先生自身が、ストレスで心房細動にもなる。当時アメリカで盛んに行われていた心臓カテーテルの検査を見るために、独り、自腹で、アメリカに行って修行を積む。そこでは、手取足取り教えてもらった訳でなく、唯見るだけ。
 自分といつも親しくしている人も、延吉先生からしてもらっている。1時間近く掛けてしたが、通らなかった。しかし、してもらった本人は次の様に言っていた、「あんなに完璧に分かりやすく説明を受けたこと、初めてだった。親身になって一生懸命にしているのが分かった。今回どうして上手く行かなかったかもよく理解できた。頭を下げられて、再挑戦を言われた。素晴らし先生」と絶賛していた。
 絶対ミスをしない。1000人したら、1000人が全て成功しないといけない。諦めたら医者ではない。命を与えられているのは主治医のみ。これが先生のポリシーだと感じだ。
 先生は、将来自分を越える弟子を沢山育てる為に、今も頑張られている。今、18人もの研修生がそこで学んでいる。一人で、どんなプレッシャーにも打ち勝って出来る医師を沢山養成する為に。降圧剤を飲みながら。