日本の心・さいき

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権勢症候群

 かわいいワンちゃんが飼い主の不適切な飼い方で、「権勢症候群」になり、その内にその家の御主人に噛み付き、中には、殺されるケースまで出現している。

 犬の世界は、縦の世界。犬自身は、自分が家の中で何番目に偉いのか、しっかりと順位を付けている。家族が何もかもワンちゃん中心で溺愛してしまうと、この家の中で一番偉いのは犬の自分だと錯覚してしまって、その家の統制をとる為に、自分に逆らうものに対して威嚇する様になる。困った挙句に専門の訓練士に訓練してもらっても、長年経ていると、元に戻らないケースもあり、仕方なく、手離さざるを得ないケースもある。

 あるテレビの内容で、5カ月の大きな犬を、小学生(高学年の男児)が散歩させているのに、犬が他の犬を見るとよそ見をしてしまって、その子の言うことを聞かずに、子どもが引っ張られているシーンがあった。しかし、訓練士がわずが30分手ほどきをすると、改善していた。

 訓練士が、まず、しっかりと縄を犬に付け、勝手に行こうとすると、犬の名前を言って強引に引っ張り、訓練士の方に来たら、撫でて褒めてやっている。ものを与える訳でなく、ひどく叱る訳でなく、相手の名前を言って、寄って来たら、すかさず褒める。この繰り返しで、それが可能になっている。子どもに代わると、要領がまだ上手く理解できなかったのか、初めうまく行かなかったが、次第に、訓練士と同じ感じで出来る様になり、訓練を始めてからわずか30分で、この子どもの力で立派な躾の出来た犬に変身している。

 子どもの可愛さに、親が子どもを溺愛し、子どもの言うなりにしていると、子どもがわがままになり、親の言うこと聞かなくなり、その内、強引に親のいいなりにさせようとすると、家庭内暴力、最悪の時は、金属バットとなるかも知れない。

 それを修正するのは、先のワンちゃんのケースと同じで、出来るだけ早い時期に、ものやお金を利用せず、忙しくても、子どもの話をよく聞いてやり、いいことをしたら必ず褒めて自信を持たせる。これを繰り返す。

 周りが皆同じ感じで子どもに接して行けば、立ち直るのは、直ぐにでも出来そうな気がしますが、言うは易し、行いは難しで、人間の場合は、ワンちゃんよりもいろんな価値観の人が多いだけに、矯正は、難しい様です・・・

 時期を逃すとなかなか躾は難しい。ヒトの場合は、尚更です。子どもがずっと我慢してきていて、とうとう耐えられなくなって切れてしまって、その時になって周囲が慌てること多いと思います。内にこもれば不登校や自殺に、外に出れば校内暴力や家庭内暴力と言うことになろうかと思います。
 動物は、子離れしてから親離れします。ヒトは、どうも、親離れして子離れが出来る様です。
 妻離れが出来ない人もいますね。奥さんがいないと何にも出来ない人。これも、困ります。
 生きるって、今までの集大成でつながって生きている訳ですから、頭でっかちで不自然な生き方では、いつかはぶつかることなんて、当たり前のことですね。


「しつけ」と「おしつけ」は、全く違う。躾は、身を美しくすると書いて、字の如く、親が子に、生きる上での基本的なことを教えること。挨拶をすることや箸の持ち方などは、躾。おしつけとは、押付と書いて、教えられる方は迷惑に思っているのに、周囲から押しつけられること。子どもに小さい時から塾通いさせたり、いやいやながら英才教育をさせ様とするのは、おしつけ。正に、しつけに「お」がついたものは、不必要のおしつけ。