日本の心・さいき

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退職後の雑感(231)

  「退職後の雑感、両者のはざまで」

 ある建築家が次の様に言われたのを今でも覚えていますが・・・「お金はいくら掛かってもいいからと言われて、一度でいいから、自分の造りたい様に造ってみたい・・・→しかし、実際は、依頼者のニードに合うように造らないといけないし、それも決められた厳しい予算の中で・・・一番難儀するのは、依頼者側にどこまでこちらの意図を理解してもらえるかと言うこと・・・」と。
 (医学生の時に)大学の先生(循環器内科の講師)が、次の様に言われたことがありました・・・「今、この大学にいていいのは、何もお金のことを考えないで、自分が一番いいと思った方法で、治療が出来ていること・・・」と。(←その時、エッ、他の多くの医療機関では、それが出来ないの?!と思って、考え込んだことがありましたが・・・)
 小児科の場合は、現在、多くのことが親御さんとの合意の上で勧められていますが・・・?!
 平成○○年8月10日、外来で点滴している親から、抗生剤を入れてもらえないでしょうかと言われました。以前、抗生剤を入れてもらったら、直ぐに熱が下がったからとの理由で。(←この子の場合、アデノウイルスで、解熱傾向にあったのですが、熱がなかなか下がらない状態でした・・・抗生剤は必要ないとしっかり説明したつもりだったのですが・・・←確かに、昔は、今のように、いろんな検査がなくて、抗生剤、喉が赤ければ、安易に、処方する稽古にありましたが・・・)
 又、ある親御さんからは、「今度、旅行に行くので、前もらった薬を3日分、もらえないでしょうか、あの時、よく効いたので・・・」と言われました。他のドクターにより何の薬が処方されたのかと調べみますと、ステロイド剤が3日分処方されていましたが・・・。
 「入院させて下さい・・・」「点滴して下さい・・・」と、次々と要求が来ます。子どもは、「入院したくない・・・」「点滴したくない・・・」と叫んでいるのですが・・・。
 今は、都会では、「かかりつけの医療機関」は、「3つ」あって、時間内受診のクリニックの小児科医、時間外のみ受診する小児科のある救急病院、入院の時の小児科のある病院とあり、上手に使い分けているとか・・・?!
 熱が直ぐに下がらないからと言って、不安が強い為に紹介状なしでアチコチのドクターに掛かっている親御さんも現にいます(その多くは、いつ受診しても、医療費無料ですが・・・)。せっかく処方されたいいお薬も、子どもが飲まないからと言って、殆ど与えてない例も時にあります。
 そんな中で、小児科医は、モチベーションを落とすことなく、子どもの為に、親御さんと上手にコミュニケーションを取って、粘り強く頑張らなければいけません。
 卒後間もない研修医がスーパーローテートが終わった頃に、ドッと小児科希望者がいなくなる気持ち、理解出来る気がします・・・?!

https://www.youtube.com/watch?v=ViB3mqX7-hc(←腸内細菌の大切さ)
https://www.youtube.com/watch?v=FNtlJay8k7s(←ソロの演奏だと、自分のペースで打てるので、楽しいです。)
*写真は、ニュージーランドの小学校で、和太鼓を指導している私です。

 (令和4年8月29日、10年前の内容を少し修正して、再掲しています・・・)