日本の心・さいき

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イスラーム(3/5)




 イスラームに付いて、多くの日本人、あまり(と言うより、殆ど)長い間、知らされてこなかった。
 今の中国に唐があった時代、日本では、最澄空海が唐から帰って、その後、天台宗真言宗を開いている。日本人が唐の長安を世界最大の都会と思っていた時、その西方では、長安をしのぐ世界最大の都市である(今のイラクの首都)バクダードが栄華を誇っていたのだったが・・・!
 イスラームでは、第1の聖地は、「メッカ(マッカ)」、第2の聖地は、「メディナ(マディーナ)」、第3の聖地は、イェ(エ)ルサレムとなっている。
 実際にモスクに行くと、まず、高くそびえる「ミナレット(尖塔)」がある。これは、礼拝への参加を呼び掛ける「アザーン」を朗誦する塔である。お浄めの「水場」がある。ムスリムイスラーム教徒)は、礼拝前に、必ずそこで、決められた手順で体を清めている。
 どのモスクも、内部構造は極めて単純で、4方向にほぼ対照的な造りとなっているが、内部の装飾が実に素晴らしい。装飾には、神や人や動物などはいっさいなくて、植物紋や幾何学紋、アラビア文字を使った装飾が数多く見られる。(イスラーム世界では、書道も盛ん!)
 内部構造には、メッカの方向を示す目印の「ミフラーブ」があり、大きなモスクには、その右側には、階段状の「説教檀(ミンバル)」がある。
 預言者の預言とは・・・→神の言葉=啓示を「預かる」ので預言と言い、未来の事を予想する予言とは違う。預言を預かった者が預言者であり、それを人々に伝える義務を負うと、「神の使徒」となる。啓示をまとめたのが「啓典」であり、アッラーからそれを与えられた最後の人が、「ムハンマド」となっている。
 「アッラー」には、家族はいなくて、飲み食いはせず、睡眠も休息も取ることなく、姿形もない。その耳や目は、人間一人一人の心の奥底こまでおよび、善悪の判断を誤ることもない。アッラーは、目に見える世界のことも見えない世界のことも何でも知っている。実に、無限の智慧と知識を備えている。
 天地創造以来存在し、未来永劫生き続け、万物の創造者であり支配者、唯一絶対であり、全知全能の神、それが「アッラー」なのである。
 イスラームには、仏教での僧侶やキリスト教で牧師など、神と信徒の間に入る人が全くいない。つまり、アッラーの前では、ムスリムイスラーム教徒)は、全て平等であり、一人一人のムスリムが直接アッラーと結び付いている。
 人間のものさしではとうてい計ることの出来ない森羅万象を超越した存在、それがイスラームでの「アッラー」なのです。

*写真は、イスタンブールにある「ブルーモスク」。