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小児救急医療・・・

 平成22年4月1日から、大分県大分市では、小児救急医療の夜間当番医制が始まっている。17:00〜22:00まで、23の診療所が交代で開け、23:00〜7:00までを、「大分こども病院」が週4日、「医師会立アルメイダ病院」が週2日、「大分県立病院」が週1日診療することになっている。
 これまでは、大分市にある民間病院の「大分こども病院」が中心になって、24時間365日って感じでされていた。「大分こども病院」の医師10人が3人減となり、小児科医の確保が出来ない為に、2人当番体制が維持できなくなり、(時間外にこの病院を受診する患者数は1日平均75人もいる為に、1人では診療できないので)やむなく、この体制となったのだ。
 県医務課によると、県内では、中津市民病院が24時間態勢、別府市医師会が「夜間こども診療」で午後7時〜同10時半に小児患者を受け付けているとのこと。他の市町村では、救急搬送や重症者を除き、紹介状なしでいつでも受診できる病院はなく、「大分こども病院」には周辺地域から沢山のさんが来ていたと思われる。
 熊本県では、医師会員と医大が協力して、医師会立の地域医療センターで、時間外の小児救急医療が行われている。
 多くの個所で、それなりに難儀している。どうしたらいいのか、・・・動きとしては、「集約化」して、小児科医の負担を少なくしようとしている。しかし、まともに深夜ずっと来院すれば、小児科医が10人いても、きついはず。と言うのは、外来当直だけでなく、病棟の患者さんも受け持ち、それ以外のことも、少なからずあるからだ(個人的なことで、他の小児科医から任されたりとか)。
 私の場合は、佐伯市の救急病院で、独り勤務医でそれなりに毎日小児救急をしてきたし(8年半余)、開業しても、19床を持って、(代診全くなく、8年半余)毎日、小児救急をしてきた。何故、それが可能だったのか?
 まず、時間を決めた。私の場合は、兎に角20:00〜21:00に集めた。その時間帯は、公表できなかったが、暗黙のうちに、多くの親御さんに理解してもらった。熱で来院した患児の親御さんには、熱型表をあげ、それに、医療機関に掛る場合の注意点(どんな時に慌てるべきかなど)を書いて上げていた。
 普段の外来でも、「機嫌」「顔付き」「食欲」「睡眠」の大切さをしばしば言い、親御さん教育に専念した。熱は(ウイルス疾患が多いので)、上がったり下がったりして、3日間は覚悟して節制し、夜の2時〜6時でのクループや喘息発作で苦しい時は、吸入にいつでもどうぞ、命に関わる時は、必ず起きて診るから、・・・と言っていた。
 深夜、けいれんなどでも、診てもらえないから慌てる訳で、いざと言う時必ず診てもらえると思えば、朝まで待てるはず(?!)事実、夜、熱で来院を願ったケースでも、ナースが電話で説明すると…→朝になると、熱が下がり気味になったり、子どもがまだ寝ているのでと言って、6時過ぎ(自分の生活パターンが朝型なので、急ぐ時は、6時過ぎに来る様に言っていた)に来院することは、極めて少なかった(と言うことは、大切な子どもさんを持っている親御さんの気持ちが救急状態なのでは?!)。
 いろんな考え方があると思うが、・・・(一般状態が悪くなってしまって)行きついて来られると大変なので、その前に、集めて診ていた方が自分としては楽だった。
 もちろん、毎晩診る為に、それなりにきつかったが、前もって必ず電話する様に言っていて、しばらく待たせることも多かったが、それでもトラブルめいたことは、開業8年半余の時には、殆どなかった(病院勤務の時は、救急病院だったので、しばしばあり。特に、新患の場合は)。
 深夜、クループや喘息の吸入でやむなく来る場合も、昼間診ているので、吸入だけで(軽快させて)帰すことが多く、どうしてもの時は、自分が診て、入院させていた。
 昨晩も、20時ちょっと前に、二人来た(私が病院の前のアパートにいる時は、17:00〜17:30と19:30〜20:00の2回、全く公表なしで、暗黙の内に、小児救急を集めて診ている)。
 二人共、嘔吐が主訴。一人は、他の医院にかかっていて、治らないとのことで。も一人は、午後から数回嘔吐して、顔を青ざめて。前者には、五苓散の注腸とその処方を、後者には、それに、点滴200mlをして帰した。