日本の心・さいき

日本の心で、世界平和の実現を!

続・医師の試練、・・・?!

 初めは、「こんないいかげんな事をしていて、いいのか?」って感じで、何度も自分を責めて、落ち込む。
 例えば、熱で来院したとする。熱で、「ああ、単なるウイルスによる風邪ですよ。」と言ったとしても、100%そうだとは限らない。それは、確率的なものでしかない。
 風邪で、熱や咳や鼻水や下痢があっても、症状を取るだけで、西洋医学では、いい薬が無い。それがいいと言う保証はない(むしろ、治りを悪くしているケースもあるはず)。風邪の大半は、ウイルス、それに、解熱剤と抗生物質を上げれば、その副作用の方が怖いかな?(事実、小児科では、薬の副作用の中では、解熱剤と抗生物質が一番多い!)。
 生活習慣病にしても、まず、生活改善を優先させるべきで、それで駄目なら、副作用を覚悟で薬と言うことになるべき。はっきりとした病名が付く前の未病の段階で、適切な医療のアドバイスをして患者さんがそれを実行していれば、医療費も、かなり削減できると思うのだが(かなりどころじゃないと思うが)・・・?!
 どうすべきか迷って、後になって、結果を見て、判断できることが多い。どんなに名医でも、初診だと、その的確な判断は、いつも診ている医師(かかりつけ医)よりも難しいはず。しかし、別の医師が専門的知識で診て、新たに分かることも確かにあるが。
 しばらく経験をしていると、経過を診て判断することの大切さを知ってくる。いつも同じ医師が診ていることの大切さも知ってくると同時に、限界も知ってくる。それに、いい医療をするには、そんな医師だけいればいい訳ではない。ナースや、検査技師や、レントゲン技師や、薬剤師など、実にいろんな人の協力があってこそ、やっと出来ること。その時携わった医師にも、限界と思えば、送り先の病院の確保も必要となる。
 →で、医療は、(患者さんを含めて)多くの人の協力で成せるものだ!との結論に達する。スタッフがいつも万全の構えではない。
 休みの日や時間外では、尚更だ。特にスタッフの少ない産科や小児科では、時間外の診療を無視する訳にはいかない。又、 どこの病院も、それぞれに限界がある。判断に少し迷っただけで別の所にポンポン紹介する訳にもいかない。
 阪神・淡路大震災の時、駆け付けた医師の多くが、停電の中では、高価な医療機器が使えなかった。聴診器一本で頑張らなければいけなかった。その時、一番活躍できたのは、やはり、第一線の開業医だったとのこと、・・・?!
 患者さんが亡くなった時、隣の部屋でドクター等がテレビを見ていて、笑っていたとのことで、訴訟になったケースがある。
 医師は、個人的なことで悩んでいても、患者さんの前では、常に平静な態度で接しないといけない。難解な医学用語も、素人への説明には、御法度だ。本人の前で、告知出来ないケースもあり、ポーカーフェイスを演じなければいけないこともある。ちょっとした一言で、患者さんがその後、苦しむこともある。
 あるドクターが、初期の胃ガンを見つけて、「ガンです。しかし、幸いに初期です。100%治ります。」って感じで説明した。そのドクターにとっては、ごく初期のガンを見つけたこどで、非常に満足していた。しかし、その後、その患者が来院することはなかった。後日、その患者さんは、自殺してしまったのである。患者さんの受け止め方は、それぞれ皆違う!
 医師は、いろんな事を経験して、患者さんから育てられて、成長して行けるのではないでしょうか、・・・?!
(平成22年3月31日記載)