日本の心・さいき

日本の心で、世界平和の実現を!

ワーキングプアー

 昨年の8月に発行された「週刊ダイヤモンド」なる雑誌によれば、・・・「頼れる病院 消える病院」の中で、・・・某国立大学病院の非常勤医師の年収のことが書かれていた。
 非常勤医師は、医員待遇(4日制)で、2年未満273万円、2年以上286万円、5年以上323万円、7年以上343万円となっていた。
 医師免許証取得後に、24歳(以上)で、アルバイトが出来ない状態で、この給料に甘んじて生活を始めることになる。将来いい医師になる為に、この卒後に、向学心に燃えたこの最も大事な時期に、何とかして学会にも沢山行きたい、専門書も買いたい、・・・しかし、それからいろいろ引かれて、・・・ギリギリで、(変な)経済学を学ばないといけない状況に追いやられているのが実態なのだ(しかし、これでも、自分の時と比べると良くなっているケースが多いかな?!)
 週に4日しか来なくていいと言われても、患者を受け持っている限り、そうはいかないだろう。17時に帰ってもいいと建前上なっていても、それを若い研修医だけがするとなると、周りの雰囲気が壊れてしまうだろう。
 だとしたら、非常勤でなく常勤の講師や教授の年収はいいのかとなるが、・・・29歳で講師になって20年目で、1110万円となっている(32歳で准教授になって、20年目で年収1110万円、39歳で教授になって、20年目で、年収1350万円)。大学の講師であれば、それはそれは、責任も重大で、休む暇なく、研究と診療と講義に追われる毎日で、バイトどころでないはず。
 ある国立大学の病院長が、「病院長の月収はいくらだと思いますか?私の月収は額面で70数万円、手取りで53万円しかありません。民間病院の半分程度ですよ・・・」と言っている。
 何故、こんなに大学病院の先生の給料が低いのか、それは、厚生労働省の管轄でなく、文部科学省の管轄にあるかららしい。医師だからとの特別の見方はされなくて、他学部の教授や助教授と同じ給料体系になっているからとのこと。
 2004年の国立大学の独立行政法人化により、給料に付いては、文部科学省からの強制はなくなっているが、大学の予算が増えないので、急流があげられない状態でいるとのこと。又、病院長の上に学長がいる為に、病院長に給料を変える権限はないとのことらしい。
 大学の医師は、難易度の高い症例を扱っているケースが多い。教育は奉仕、時間外診療も奉仕って感じで働かざるを得ない。研修医の大学離れの原因は、こんなところにもあるのかなあ・・・?!

*私の場合、宮崎県立宮崎病院では、初めの12か月間、月、税込みで8万円でした。当時は、小児科研修の為のいいマニュアル本がなかったので、自分なりに(小児の検査の見方を入れ)作成。(80ページ、手書きして、「小児科研修の手引き」を後輩の為に作成していました)