日本の心・さいき

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ニッポン人の忘れもの・・・

 11月22日(日)、たけしの日本教育白書「探そう!ニッポン人の忘れ物〜第3夜〜」が延々と民放で4時間半もありました。(その一部しか見ていないが、・・・)
 その中で、94歳の現役理容師おばあちゃんの姿、考えさせられました。料金表示なし、家庭の事情で少ししかもらえない人がいたり、反対に、高くもらえる人もいるとか。散髪中に、お客さんが気持ち良さそうに眠ってしまったら、起こさないとか。
 23歳で結婚し、若くして事故で旦那さんをなくし、女一つで、二人の娘さんを育てている。その内の娘さんを一人亡くし、その形見としてのカミソリを使って、仕事をしている。
 自分の住み場所の二階には、今だかって、男性を上げたことがないとのこと。亡くなった主人に悪いからとの理由で。
 働くこと80年、端を楽にさせる為に働いていると言う。
 「苦労したら、思いやりが出来る。楽して儲けるべきでない。・・・家の土台の石がしっかりしていないと、家は崩れる。そんな土台石は、表からは見えない。女は、家の土台石、女にはそれだけの力がある。・・・今、コツコツ働くべき・・・。」などと言われていた。

 番組の中では、著名人が作文を書いて、ニッポン人が忘れたものを読み上げていた。

 今のニッポン人が忘れたモノって何だろうか?
 私なりに、次の5つを挙げてみた。

1、日本女性の奥ゆかしさ。
 (89歳の現役女優の森光子さんも言われていたが)皇后美智子様を見ていると、正に、これこそ、日本人のあるべき女性の象徴的姿だと思わない訳にいかない。日本人が失いつつある姿を目に見える形で、しっかりと表現されていると思う。それも、慎み深く。
 日本の女性は、海外の男性にとっては、結婚するのに最も人気があると言われている(その中でも、鹿児島県の女性が一番人気があるとか?!余談ですが、私の家内は、生粋の鹿児島出身)。
 反対に、男性は、海外の女性に人気なくて、後ろから数えた方が早いが、・・・近年益々か細くなって、女性をぐんぐんリードして行ける感じの武士道をわきまえた男性、少なくなっているかな?!

2、陰膳
 家では、父親の存在が大きかった。そんな父が、夕食を摂る寸前に、父の親(私が物心付く頃、既に、父母の両親が全て亡くなっていたが)の箸を箸置きに揃えて、手を合わせて礼をして「親様どうぞお上がり下さい!」と言っていた。
 多くの家の中に、尊敬されるべき人が居た。不在でも、亡くなっていても、その存在が大きく家族をまとめる感じになっていた。
 陰膳、もう、今の日本の多くの家庭では、ないなあ。

3、絆
 夫婦や親子や親戚同士だけでなく、日本人同士の絆が昔ほど強くない感じがしている。教師と生徒との間柄にしても、社長と職員との間柄にしても、昔ほど絆が強くない感じがする。地域での人間同士の結び付きにしても同じだ。行事があっても、参加者が少ない。
 盆の時期と正月の時期になると、遠くに行ってる若者が、どんなことがあっても、故郷に必ず帰っていた。墓参りは、当たり前だった気がする。帰らないと、いろいろ言われていた。しかし、今はどうかなあ?
 親を敬い、先祖を敬い、自分が育った「ふる里」を懐かしむことが昔ほどない気がする。
 墓も、都会では簡素化しているケースが多い。日本人に何かが欠けつつある気がしてならないが。

4、夢
 昔の子どもに夢を聞くと、殆どの子どもが答えていた。今は、しっかりと答えない方が多いかな。大人も、仕事に追われて、夢が持てなくなっている感じだ。
 衣食住の最低限の豊かさが夢を奪ってしまった所もあるかと思う。

5、知足
 戦後、戦争に直接関わってない国は、世界の国々の中で1割もない。平和が如何に有り難いかを忘れかけている。
 いろいろ言っても、1億人以上を抱えた他の国と比較してみると、日本は、平均的に恵まれている。中国では、1カ月の給料は、3万円前後とのことらしい?インドでは、カースト制で、貧富の差が中国同様、はっきりしている。アメリカも、貧富の差が激しくて、健康保険に入れない人が5000万人近くもいて、今回の新型インフルエンザにしても、3000人以上が亡くなっている。インドネシアやブラジルやパキスタンバングラデシュやナイゼリアでも、日本以上に、仕事がなくて、経済的に困っている人の割合が多い。
 「奪い合えば足りず、与え合えば余る!」って感じの相田さんの言葉、今の日本人が忘れ掛けていると思う。
 足ることを知る「知足」って言葉、よく、茶道の世界では使われるが、この知足の本当の意味を、今の日本人の多くが忘れているのではないでしょうか。