日本の心・さいき

日本の心で、世界平和の実現を!

よく解っていないことが多い中で・・・

 医療する上で、よく解っていないことが多くて、返答に困ることがある。
 「タミフル、大丈夫でしょうか?」との質問が多くなっている。どうなのだろうか?正直、私もよく解らない。
 (この1週間だけの診療上での話であるが)タミフルを上げた後に、フラフラして来院した子どもがいた。母親が、「2回しか、タミフル上げていないですけど・・・」と言った。又、ある別の親御さんからは、「前、タミフルで肝機能が悪くなって入院しました・・・」と言われた。又、別の親御さんからは、「この子、タミフル合わないんでよ。前、副作用がひどくて・・・」と言われた。
 WHOも国も、ひどくなるケースには、抗インフル剤を勧めている感じだが、実際は、どうなのだろうか?リレンザにも、副作用が報告されてはいるが・・・。薬だから、人によっては、副作用が強く出ても不思議ではないと思っているが、・・・漢方薬にも、人によっては、副作用があるし。
 昔、解熱剤として、アスピリンをよく与えていた。アスピリンが解熱剤では一番安全で、特に、ドイツのバイエル社アスピリンが一番いい何て感じに思っていた。
 ところが、インフルエンザで「ライ症候群」が多発し、これが、アスピリンのせいだとアメリカ政府が結論付けて、アスピリン禁止となった。で、その後、アメリカでライ症候群が激減した結果、やはり、Reye症候群の原因がアスピリンと認めざるを得なくなり、日本政府も重い腰を上げて、日本でのはっきりとしたデータがないまま、インフルエンザ時のアスピリンが中止となった。
 その後、ボルタレンやポンタールも、インフルエンザ時には、使用を控える様に言われ、更には、普通感冒にも控える様になり、今では、解熱剤としては、アセトアミノフェンが頻回に用いられる様になっている。
 アセトアミノフェンの添付文書には、原則的には、座薬は1日1回、内服は、1日2回、5日間までとあり、それに、子どもに対しての安全性ははっきりと認められているとは書かれていなくて、安全と思われると言った感じで記載されている。薬物での肝障害で一番多いのは、アセトアミノフェンであり、欧米では、自殺目的で使用しているケースもある。
 現在、アメリカでは、乳幼児が医師の処方箋なしで買える市販の風邪薬が中止になっている(抗生物質の使い方も、ガイドラインが出され、耐性菌出現の問題で、厳しくなっている。)。が、日本では、抗ヒスタミン剤や鎮咳剤の入った市販の感冒薬が、まだ、中止になることなく、販売され、外来診療では、抗生物質を必要以上に求める患者さんも、現に存在している。
 漢方薬にしても、気軽に買えるが、しかし、これも、下手に長期に証が合わなくて使用すると、危なくなるのではと、私自身は危惧しています。
 医学がよく解らない中で、医療はもって理解が難しく、それに、個人差があり、しっかりとした結論を出せるまでには、それなりの時間が掛かります。
 熊本の水俣病に携わったある関係者の話ですが、初めに水俣病の疑いで(水銀中毒だろうとのことで)厚生省に、熊本大学医学部の関係者が出向いて説明した時に、威圧的な態度で一喝されたとのこと。しかし、現実に、今では、認められているし、もっと早くから謙虚に現場の医師の意見が認めていたら、これほどひどい結果にはならなかったと思われます。
 現場の経験が、上に立つ厚生労働省の医系技官にしっかり届くシステムを出来るだけ早く構築してもらいたいたいと願ってやみません。