日本の心・さいき

日本の心で、世界平和の実現を!

やる気

 東京外国語大学のロシア語学科を卒業して、直ぐに手作りの木工会社に就職した女性がテレビで紹介されていた。彼女は、昔から、手作りの木工細工に憧れていた。彼女は、どうしてもそれを仕事にしたかった。同期の新入社員は、6名。この6人に、大学卒はいなかった。
 そこでは、新入社員は、2年間、住み込みの生活をしないといけないが、その前に、1週間の働き具合を見て入社が許されることになっていた。そこには、過去の経歴は、全く関係ない。
 彼女は、ドリルを使って釘を打ち込むが、他の6人と比較して、明らかに一番下手。一日の終わりには、反省ノートを付けることなっているが、自分だけでなく、様子を見ていた先輩からもいろいろ書かれる。「全然駄目」、「やる気があるのか」、「大学で何を勉強してきたんだ」、「中学生並み」・・・などいろいろ。
 で、1週間後の社長の合格か不合格かを発表する日、社長は、やる気のある彼女の入社を快く認めた(全員この時合格だったが)。社長は、合否の判定に、やる気を一番重要視したのである。
 あるプロの太鼓集団のリーダー(私の中学生の時の同級生が)言っていた、「技術なんて、入ってからこちらが仕込むので、関係ない。一番大事なのは、やる気(向上心)と判断力。判断力とは、例えば、入社の最初でも、その人がするべきこと、出来ることが必ずあるはず。それが判断できて、それがやれる人。太鼓なんて、やる気を持って熱心にすれば、必ず上手になれるし、こちらがバッチリ教えるから、入る時の上手下手は、全く関係ない・・・」と。
 ある(外科系の)院長も言われていた、「外科の手術の技量なんて、俺がいくらでも教えてやる。ここでの沢山の症例を積めば、必ず、上手になる。しかし、やる気だけは、教えられんからなあ。やる気のない人が入ると、こちらまでもやる気がなくなる・・・」。
 そうだよな、好きこそ物の上手なれで、好きだと努力を人一倍することになり、その結果、もっと上手になって、もっとやる気が出て、もっと頑張ろうとする。いい循環だ。それが、初めにやる気がないと、努力しないので次第に出来なくなり、結局は、周りと摩擦を起こして、本人も周りも迷惑することになるのかな。