日本の心・さいき

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新型インフルエンザ雑感

 新型インフルエンザ、メキシコ以外では、死者が殆ど出ていない。アメリカでの1歳の子どもの死亡例は、その子自体に元々基礎疾患があったから。いつもの毎年流行するインフルエンザよりも軽いとのこと?!
 今回の新型インフルエンザの影響、世界経済にとって、スゴイ損失になっているかな。日本政府は、水際作戦で万全の体制を取っていると言うけど、熱があまり高くないインフルエンザ感染のことあるし(いつも低体温気味で、37度前後でも、暑がる人もいるけど)、症状の殆ど出ないインフルエンザ感染の人も(不顕性感染)いるし、潜伏期の状態にある人もいるし、それに、麻疹や風疹の様に、インフルエンザも、発熱前からも既に伝染力があるし。
 政府は、あまり心配はしない様にと言っているけど、心配をけしかけているのは政府(とマスコミ)って感じがしないでもないけどなあ。
 新型インフルエンザワクチンが出来たとして、弱毒なのに、新型インフルエンザワクチンを全てのヒトに打ったり、疑われれば全てのヒトに検査をし、インフルエンザであれば全てのヒトにタミフルを処方するってこと、理にかなってない気がするけど。
 多くの小児科医が経験していることだが、冬にインフルエンザが大流行している時には、細気管支炎を起こすRSウイルスの患者さん、確かに少ない。真冬にインフルエンザが殆どない時、RSウイルスで、乳児が肺炎になって入院しているケース多い。今は、RSウイルスのワクチンも出来ていて、未熟児や心臓病の子には、積極的に打っているけど。
 インフルエンザワクチンも、もちろん、強毒性だと意味が確かにあるけど、どんどん多くのヒトに打って行けば、変異が起き易くなると思われるけど。それに、医療現場で、ちょっとでも疑われれば即インフルエンザの検査となると、それこそパニック状態になるんじゃないのかなあ。タミフルをどんどん使用すれば、耐性もその内に出来るだろうし、そっちの方が心配な気もするけど。そして、本当に必要な時に、効かなくなる可能性もある訳だし。
 今までのインフルエンザワクチンの使用の仕方も、再考する必要があるのかも知れない。体の弱いヒトを中心に打ち、タミフルも、症状に応じて柔軟に考えて処方するべきだと思うけどなあ。
 全て検査、全てワクチン、全てタミフルって考え方自体が不自然な気がする。実際に、5月2日からずっと外来診ているけど、インフルエンザB型に罹患した中学生、ゾロゾロ来ている。発熱して12時間以内の場合は、検査していない。そして、大部分、初めに葛根湯で対処しているけど、それで大きな問題、起きていない。もちろん、インフルエンザとはっきりして、きつくて耐えられないケースには、点滴したり、タミフル処方したり、大きな子どもには、リレンザを処方しているけど。来ている中学生の殆どが、昨年の暮れにインフルエンザのワクチンをしているけど。
 登校許可証や登園許可証をしばしば書かされるけど(当院は無料でしているが)、これも口頭では、駄目なのかなあ。これを書いて何かあった時、園や学校側は、医師から許可をもらっているからと言って責任逃れ出来る感じだけど、ちゃんとその時に医師が診て、ちゃんとした診断書を書いていないのに、それで責任をなすりつけられては、たまらないなあ。
 麻疹や百日咳などの伝染病が少なくなって、喘息も、抗アレルギー剤や吸入など、重症例が少なくなっている時代、皮肉なことに、毎年流行するインフルエンザで(開業している)小児科医が潤っていることも確かなことだけど・・・?!