日本の心・さいき

日本の心で、世界平和の実現を!

大国のエゴ・・・?!

 アフガニスタン東部で武装グループに拉致されていたNPO(非政府組織)「ペシャワール会」のスタッフ、伊藤和也さん(31)が遺体で発見された。
 マスコミ各社でいろんな意見がされ、政府も、それなりに述べている。
 が、見方を少し変えて、向こうの立場で考えてみた。
 そこでの向こうの闘士にとっては、毎日が、緊張の連続で、まともな仕事なんてない。いつ、アメリカの攻撃に会うかも知れない。そこでのある闘士が言っていた、「お金で仕事を請け負う。相手はどこかは関係ない。それで家族を食わせないといけないから・・・」と。闘いのない平和が続けば、職がなくなって、食っていけないのだ。
 初めはそれなりのイデオロギーがあったのだろうが、生活が苦しくなると、そうも言ってはおれない。極端な言い方をすれば、銃を持って、ある組織に先導されての人殺しが仕事って感じになっているのだ。
 この現実をしっかりと見つめる必要があると思う。
 (今回、伊藤氏を襲ったのは、純粋なタリバンではない様だが・・・)
 やはり、多くの人は、どこの国でも、優先順位は、最低限の経済的な生活の保証だと思う。アフガニスタンの様な荒れ地では、タイや海辺の南国の様な豊富な食べ物の確保は、困難だ。その必要性を伊藤和也氏は、若くしてちゃんと納得していて、自分が出来ることを考えて、それをちゃんと実践していたのだ。素晴らしい青年だと思う。
 タリバン側から攻撃を受けても、中村哲氏は、反撃を周りに決して強制しない。初めは、周囲の反発をかっていたが、中村氏と行動を一緒にしていた現地のアフガニスタン人も、中村氏の考え方が正しいとその後、気が付いている。今回も、中村氏は、アフガニスタンの人達やタリバン側を批判的に言うことをしてない。彼は、本質を見抜いていると思う。
 元はと言えば、大国のエゴが、アフガニスタンの多くの人民を苦しめてきている(アフガニスタンだけでなく、アフリカや今回のグルジアの問題でも同じだ)。初めは、アメリカは、敵国ソ連を打つ為に、アフガニスタンに武器を送り、多くのタリバンにも、その様にした。つまり、タリバンは、アメリカ側に付いていたのだが。その後、ソ連が崩壊し、アフガニスタン内部で、抗争が生じた。そして、アメリカに対する反感が強くなった。それもアメリカは、力で抑えようとした。多くの命がそこで失われていった(今も、イラクでも、似た感じでで行われているが)。しかし、太陽と北風の関係と一緒で、力で一時的に抑えても、根本的な自体は何ら変わっていないのだ。
 日本は、中東の国々の間では、とてもいい関係にあるケースが多い。アメリカに対しては反感を持っている国々の人も、日本に対しては、(韓国や中国など例外はあるものの)いいのだ。韓国と中国とは、政府間で問題があっても、私の様に個人的に仲良く付き合っているケースは、多い。
 日本政府は、もっとアメリカに言うべきことを言って、平和外交をもっと積極的に勧めるべきだ。
 今のアフガニスタンでは、再びタリバンの力が強くなっているようだが・・・。草の根外交が最も近道の気がしているが、そのバックには、やはり強い政府の後押しが必要だと思う。直ぐに力でねじ伏せるのではなく、やはり、それなりに時間が掛かるのだ。
 政府が世界の情勢をちゃんと判断しなくて、今の官僚の様に場当たり的にことを澄ませてしまおうとすると、益々おかしくなってしまう・・・?!